中津川宿

中山道 中津川宿：歴史と文化が息づく宿場町の魅力

中津川宿は、江戸時代の美濃国恵那郡中津川村（現在の岐阜県中津川市）に位置し、中山道の45番目の宿場として重要な役割を果たしました。江戸日本橋から数えて85里12町8間、落合宿へ1里、大井宿へ2里半という位置関係にありました。

中津川宿の構造と賑わい

宿場は、江戸側から淀川町、新町、本町、横町、下町と続き、本町には本陣と脇本陣が置かれていました。特に苗木藩領との取引が盛んであり、定期的に六斎市が開催され、商業の中心地として賑わいを見せていました。この六斎市は一時途絶えたものの、享保14年（1729年）に復活し、三日市も許可されるなど、経済活動の活性化に貢献しました。

町の長さは寛文3年（1663年）以降、幕末まで10町7間（約1.1km）、道幅は3～4間（約5.5～7.3m）で、西の京都側から東の江戸側へ下町、横町、本町、新町、淀川町、茶屋坂町と続いていました。尾張藩の家臣である樋口好古が寛政年間（1789～1800年）に著した「濃州徇行記」には、当時の様子が詳細に記録されており、家数や人口、商家の多さなどが伺えます。

尾張藩の支配と代官所

中津川宿は、尾張藩の重臣で木曾代官や福島関所の管理責任者であった山村甚兵衛家の知行所であり、中津川代官所が設置されていました。代官所では、年貢の徴収を中心に、宗門改めや川除け見分、検見役などが行われました。また、恵那郡内の村々の庄屋や問屋たちは、木曽福島の木曾代官所に出向いて山村甚兵衛家当主に年賀の挨拶を行ったとされています。

近年の取り組みと史跡

近年では、皇女和宮が江戸へ降嫁する際に中津川宿で食した料理を再現したものが、市内の旅館で提供されています。また、中津川宿には、間家大正の蔵や本陣跡、旧庄屋宅（旧肥田家）、中津川市中山道歴史資料館（旧・脇本陣跡地）などの史跡が点在しています。近隣の大井宿にかけても、石屋坂の石仏や駒場村の高札場跡、上宿の一里塚跡など、歴史を感じさせるスポットが数多く存在します。

中津川宿へのアクセス

中津川宿へのアクセスは、JR中央本線の中津川駅が最寄りです。駅を降りて周辺を散策することで、江戸時代の宿場町の雰囲気を味わうことができます。



中津川宿は、単なる通過点ではなく、歴史と文化が色濃く残る魅力的な場所です。中山道を訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。

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