西田哲朗

西田哲朗：楽天からソフトバンクへ、ユーティリティープレイヤーの軌跡

西田哲朗氏は、1991年9月4日、大阪府茨木市生まれの元プロ野球選手である。主に内野手として活躍し、東北楽天ゴールデンイーグルスと福岡ソフトバンクホークスの2球団でプレーした。愛称は「哲朗」で親しまれた。

少年時代は、箕面自由学園小学校4年から野球を始め、摂陵中学校ではボーイズリーグの八尾ペッカーズに所属。関西大学第一高校では1年夏から遊撃手のレギュラーを獲得し、2年生からは4番打者として活躍した。高校時代は、夏の大阪大会でベスト16に進出するなど、高い潜在能力を示した。

2009年、東北楽天ゴールデンイーグルスからドラフト2位で指名を受け、プロ入りを果たす。契約金5500万円、年俸600万円という好条件での入団だった。背番号は「55」を着用した。

楽天時代は、主に二軍で経験を積み、一軍出場機会は限られた。2010年はイースタン・リーグで67試合に出場し、2011年には遊撃手のレギュラーとして72試合に出場するなど、着実に経験を積んでいった。2011年10月15日、西武戦で一軍初出場を果たし、2012年にはシーズンを通して一軍に帯同。主に代走や守備要員として起用されたものの、9月14日のオリックス戦で初安打と初打点を記録するなど、存在感を示した。

2013年には開幕一軍を経験するも、打率低迷により二軍に降格。しかし、シーズン終盤に一軍復帰し、チームの日本一に貢献した。2014年には開幕一軍を果たし、131試合に出場。7本塁打、41打点、打率.250と自己最高の成績を残した。

2015年は左足甲骨折により戦列を離れる期間もあったが、6月3日のヤクルト戦で1試合4安打を記録するなど、高い打撃センスを披露した。また、9月20日のオリックス戦では、自身初となる初回先頭打者本塁打を放つなど、印象的な活躍を見せた。

2016年には登録名を「哲朗」に変更。しかし、一軍での出場機会は少なく、成績も振るわなかった。翌2017年には登録名を本名に戻したが、出場機会はさらに減少。同年オフ、山下斐紹とのトレードで福岡ソフトバンクホークスに移籍した。

ソフトバンクでは、内野の控えとして活躍。2018年にはクライマックスシリーズでレギュラー遊撃手として出場し、5試合で打率.583と大活躍を見せた。日本シリーズにも出場し、貴重な安打と打点を記録した。

2019年は左脇腹、右脇腹の負傷により、出場機会が激減。2020年は開幕一軍入りを果たすも、成績が上がらず、同年11月26日、戦力外通告を受けた。

12月23日、自身のInstagramで現役引退とソフトバンク球団広報への就任を発表し、12月25日には正式に球団広報に就任したことが発表された。

西田哲朗氏は、内野全ポジションを守れるユーティリティープレイヤーとして知られ、打撃ではパンチ力と勝負強さが魅力だった。50m走6秒0、本塁から一塁まで4秒1、遠投100mという身体能力も備えていた。また、楽天時代には、艦これのBGMを用いた個人応援歌が話題になったことでも知られている。ソフトバンク時代には、試合前の円陣で、ポケットから取り出した小道具を使ったダジャレでチームを鼓舞するなど、ユニークな一面も持っていた。

西田哲朗氏は、プロ野球選手としてだけでなく、球団広報として、その持ち前の明るさと野球センスで、今後も多くの人々を魅了し続けるであろう。

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