西田昭市

西田昭市：多才な才能で魅せた俳優・声優

西田昭市（にしだ しょういち）は、1928年5月26日に東京府（現東京都）で生まれ、1990年5月28日にS状結腸癌で亡くなった日本の俳優、声優です。そのキャリアは舞台、テレビドラマ、映画、そして声優と多岐にわたり、幅広い分野で才能を発揮しました。

経歴

西田は中央大学予科を卒業後、1947年3月に舞台芸術アカデミーに入所し、演劇の基礎を学びました。1950年10月には劇団七曜会に入団し、本格的に舞台俳優としてのキャリアをスタートさせます。1955年3月に七曜会を退団後は、劇団葦の設立に参加。1964年6月からはフリーランスとして活動し、ぐるーぷさぼてん、赤坂プロダクション、エヌ・エー・シー、同人舎プロダクション、スカイプロ、太陽プロモーション、SKY企画、蛭川企画といった数多くの事務所に所属しました。その声種はバリトンであり、新劇俳優協会の理事も務めるなど、演劇界への貢献も大きい人物でした。

俳優としての活躍

俳優としての西田は、数多くのテレビドラマに出演しました。NHKの『高野長英』や『おふくろ』などの初期の作品から、大河ドラマ『太閤記』、『元禄太平記』、『花神』など、時代劇にも多数出演しています。また、『ウルトラマン』ではバルタン星人（2代目）の声優としても知られています。

その他、『鬼平犯科帳』、『太陽にほえろ!』、『特捜最前線』など、数々の人気ドラマにもゲスト出演し、その演技力で存在感を示しました。映画では、『雲ながるる果てに』や『異母兄弟』などに出演し、舞台では『ゴールデン・ボーイ』や『人間の条件』などで幅広い役柄を演じました。

声優としての活躍

声優としても、西田は多くの作品で活躍しました。特に、リノ・ヴァンチュラの吹き替えを数多く担当し、その重厚なバリトンボイスで多くのファンを魅了しました。『死刑台のエレベーター』や『太陽の下の10万ドル』など、リノ・ヴァンチュラの代表作で彼の声を担当しています。

また、映画『オズの魔法使』のブリキ男や、『ミッドウェイ』のロシュフォート中佐など、様々なキャラクターの声を担当。海外ドラマ『刑事コロンボ』や『スパイ大作戦』などにも参加し、その声優としての才能を発揮しました。人形劇『サンダーバード』シリーズでは、悪役ザ・フッドの声も担当しています。

その他の活動

西田は、テレビアニメ『怪物くん』や『侍ジャイアンツ』、『ヤッターマン』などにも声優として参加しています。また、ラジオドラマ『海によせるバラード』にも出演するなど、幅広いメディアでその才能を発揮しました。

人柄

西田昭市は、その温厚な人柄と真摯な仕事ぶりで、多くの共演者やスタッフから信頼されていました。常に役柄に真剣に向き合い、その演技力で作品に深みを与えました。彼の死は、日本の演劇界にとって大きな損失であり、多くの人々がその早すぎる死を悼みました。

後任

西田の死後、持ち役は多くの声優によって引き継がれています。

晩年

1990年5月28日、S状結腸癌のため死去。62歳という若さでした。

西田昭市は、多岐にわたる才能を持ち、日本の演劇界に大きな足跡を残した人物として、今も多くの人々に記憶されています。

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