西神車庫

西神車庫（せいしんしゃこ）

西神車庫は、兵庫県神戸市西区美賀多台に存在した、神戸市営地下鉄西神・山手線で使用される車両の基地でした。西神中央駅の北東に位置していました。

設置の背景と歴史

神戸市営地下鉄の初期計画が検討された1970年代には、名谷より西側地域の輸送需要に対応するため、西神地区に車両基地を設ける構想が存在しました。その後、西神ニュータウンの人口が急増し、それに伴い利用客が増加した1991年頃、列車の運行本数を増やす必要が生じました。しかし、当時唯一の車両基地であった名谷車両基地は、最大で6両編成20本を収容するのが限界であり、すでに2本の列車が夜間に駅での滞泊を余儀なくされている状況でした。これ以上の車両を導入し、増発を実現するためには、新たな車両基地の整備が不可欠となりました。

この課題に対応するため、当時地下鉄沿線で利用可能な土地があった西神中央駅の引き上げ線の奥に、新たな車両基地として西神車庫が建設されることになりました。1992年に建設が始まり、翌1993年には快速列車の運転開始と同時に、本格的な車両基地としての利用が開始されました。当初は留置線が3線のみでの運用でしたが、徐々に規模を拡大していきました。

構内構造

西神車庫は、西神中央駅から北へ約500メートル延びる引き上げ線の先に広がっていました。この引き上げ線は、駅の2番線・3番線に到着した列車が1番線へ入線する際の折り返しにも使用されていました。

構内には、車両を停めておくための留置線が9線設けられていました。これらの留置線の西端には、検車庫と業務ビルが配置されていました。ただし、検車庫は車両の日常的な検査を行う設備はなく、主に車両に異常が発生した際の応急処置や簡単な整備を行うための施設でした。また、構内には地下鉄の線路や設備の保守作業に用いられる保線車両を留置するための専用線も数線設置されていました。

運用終了

神戸市交通局が2020年に北神急行電鉄を市営化したことにより、谷上駅近くに谷上車庫を取得しました。これに伴い、西神車庫はその役割を終えることとなり、2025年3月14日をもって車両基地としての運用を終了しました。

閉鎖に先立ち、2025年2月24日には最後の一般向けイベント「さようなら西神車庫」が開催され、多くの来場者に親しまれた車両基地との別れが惜しまれました。

関連事項

日本の車両基地一覧
名谷車両基地
神戸市交通局
西神中央駅

外部リンク

* 西神車庫｜神戸市交通局

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