西紀町

西紀町（にしきちょう）

概要

西紀町（にしきちょう）は、かつて兵庫県の北中部に位置し、多紀郡に属していた自治体です。1999年4月1日に、同じ多紀郡内の篠山町、今田町、丹南町との合併により、新たに篠山市（現在の丹波篠山市）が発足したことに伴い、その名は姿を消しました。町名の「西紀」は、多紀郡の西部に位置することを示す「西」と、美しい風景を表現する「錦」の文字を組み合わせた雅称であったと伝えられています。

地理

町の区域は、北摂山地の一部にあたる豊かな自然に恵まれていました。主な地形としては、多紀アルプスの一角をなす三岳（標高793m）や、黒頭峰（標高621m）といった山々が町域に連なり、緑豊かな景観を形成していました。また、町内には宮田川などの河川が流れ、地域の生活や自然を潤していました。

かつて西紀町と隣接していた自治体は以下の通りです。

兵庫県:
多紀郡: 丹南町、篠山町
氷上郡: 春日町（現在の丹波市の一部）
京都府:
船井郡: 瑞穂町、三和町（いずれも現在の京丹波町の一部）

県境を越えて京都府とも接しており、地域間交流がありました。

歴史

西紀町の歴史は、昭和の大合併期に始まります。1955年（昭和30年）1月1日、それまでの南河内村、北河内村、草山村という3つの村が合併し、「西北村」が発足しました。この西北村は、発足したその日のうちに「西紀村」へと改称しました。

その後、地域社会の発展に伴い、1960年（昭和35年）1月1日には村から町へと移行し、「西紀町」が誕生しました。町制施行後、西紀町は多紀郡の一員として地域づくりを進めましたが、平成に入ると地方自治体再編の流れの中で合併が検討されるようになります。

そして、1999年（平成11年）4月1日、多紀郡に属していた今田町、篠山町、丹南町と西紀町が合併し、広域的な新市「篠山市」が誕生しました。この合併により、西紀町の自治体としての歴史は44年をもって閉じられました。なお、合併により西紀町が廃止される直前には、新しい町役場が建設されたばかりであったという経緯があります。

海外との交流

西紀町は、ギリシャ共和国の古都として知られるエピダウロス市（Epidaurus）と国際的な姉妹都市交流を行っていました。1988年（昭和63年）5月26日に姉妹都市提携が結ばれ、両市町の間で文化や教育などの交流が育まれました。

交通

西紀町内には鉄道路線は通っていませんでした。鉄道を利用する場合、JR福知山線の柏原駅、篠山口駅、丹波大山駅といった近隣の駅が最寄りとなり、これらの駅と町内を結ぶ路線バスが主要な公共交通機関でした。当時、これらのバス路線は神姫バスによって運行されていましたが、2022年現在はウイング神姫に移管されています。

道路網としては、地域を結ぶ主要な県道が整備されていました。
兵庫県道77号 篠山山南線
兵庫県道97号 篠山三和線
兵庫県道140号 長安寺篠山線
兵庫県道300号 本郷藤坂線
兵庫県道301号 本郷東浜谷線
兵庫県道711号 遠方瑞穂線

また、舞鶴自動車道が町域を通過していましたが、町内にインターチェンジはありませんでした。しかし、高速道路利用者の休憩施設として、西紀サービスエリアが設置されており、地域外からのアクセスポイントの一つとなっていました。

出身者

西紀町にゆかりのある著名人もいます。お笑いタレントの森田まりこさんや、ロックバンド「キュウソネコカミ」のギタリストであるオカザワ カズマさんが西紀町の出身です。

関連項目

兵庫県の廃止市町村一覧

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