西表野生生物保護センター

西表野生生物保護センターは、沖縄県八重山郡竹富町に位置する、環境省が設置した野生生物保護施設です。このセンターは、種の保存法に基づき、イリオモテヤマネコなどの希少な野生動植物種の保護を目的としています。

施設の概要

センターでは、希少野生生物の保護増殖活動、調査・研究、そして一般の方々への普及啓発活動を積極的に行っています。施設の敷地面積は6,662平方メートル、延床面積は704平方メートルで、鉄筋コンクリート構造の2階建てです。また、環境省の西表自然保護官事務所もセンター内に併設されています。

1995年7月12日に開館したこのセンターは、2021年12月11日から一般向け展示施設を閉館し、大規模な改修工事を行いました。そして、2022年7月11日にリニューアルオープンし、新たな展示内容で来訪者を迎えています。

主な活動と展示内容

センターでは、一般向けの展示に加えて、交通事故などで負傷したイリオモテヤマネコの保護も行っています。過去には、1996年8月に保護されたイリオモテヤマネコの「よん」（個体識別番号W-48）が、事故の後遺症により野生復帰が困難であったため、2011年4月9日に死亡するまで、14年8ヶ月という長期にわたり飼育されました。この間、センター内のモニターでは「よん」のライブ映像が放映され、多くの人々に親しまれました。

展示施設では、「ようこそ西表島」というテーマのもと、イリオモテヤマネコと豊かな生物多様性について紹介しています。具体的には、「山」、「山奥」、「人里」、「海」という4つのコーナーに分け、それぞれの環境に生息する生物の剥製や写真が展示されています。イリオモテヤマネコやカンムリワシに関する展示も充実しており、西表島の自然を深く理解することができます。

さらに、「野生動物をまもる取り組み」というコーナーでは、環境省や関連機関の取り組みを紹介するパネルなどが展示されています。また、島内の道路でのイリオモテヤマネコとの交通事故を回避するためのドライビングシミュレーターも設置されており、安全運転の重要性を学ぶことができます。

その他、センター内には「なかゆくい西表ライブラリー」やレクチャールームもあり、西表島の自然や生物に関する知識を深めることができます。

施設情報

• - 開館時間: 10:00〜17:00
• - 入館料: 無料
• - 休館日:

- 月曜日（月曜日が祝日の場合は火曜日も休館）
- 祝日（子どもの日（5月5日）、文化の日（11月3日）を除く）
- 慰霊の日（6月23日）
- 年末年始（12月29日〜1月3日）

アクセス

• - 車: 大原港（仲間港）から県道215号を約15分、「野生生物保護センター」の看板を左折。上原港（船浦港上原地区）からは県道215号を約45分、「野生生物保護センター」の看板を右折。
• - バス: 西表島交通「野生生物保護センター」停留所下車、徒歩約10分（約700m）。

西表野生生物保護センターは、西表島の豊かな自然と希少な野生生物の保護について、深く学ぶことができる貴重な施設です。ぜひ一度訪れて、その魅力を体験してください。

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