西見健吉

西見健吉（にしみ けんきち）

1967年4月27日、鹿児島県徳之島の天城町に生まれる。元レスリング選手であり、現在は自衛官として奉職している。最終的な階級は一等陸尉。

レスリングとの出会いとキャリア形成

中学時代は野球部に所属していたが、地元徳之島で行われた全島相撲大会での優勝が転機となる。この大会での活躍が、当時鹿児島商工高等学校（現在の樟南高等学校）レスリング部を率いていた加治佐正昭監督の目に留まり、スカウトを受けて同校でレスリング競技を開始した。

高校卒業後、自衛隊体育学校へと進学し、選手としての活動を継続する。自衛隊体育学校では、自己の競技力向上に励む傍ら、後には第二教育科でレスリングコーチも兼任するなど、指導者としても関わるようになった。

国内大会での圧倒的な強さ

西見氏は、国内の主要なレスリング大会で長年にわたり圧倒的な強さを示した。全日本レスリング選手権大会においては、まず1991年にグレコローマンスタイル52kg級で頂点に立つ。その後、階級を57kg級に変更し、1993年から3年連続で優勝を達成。さらに階級を58kg級に上げた1996年からは、再び4年連続でタイトルを獲得するという偉業を成し遂げた。これにより、全日本選手権では異なる3つの階級で合計8回の優勝を記録したことになる。この偉業は、西見氏の卓越した技術と持続的な競技力、そして階級変更への適応力の高さを物語っている。

全日本選抜レスリング選手権大会でも、1998年6月に埼玉県の朝霞市立総合体育館で開催された大会でグレコローマンスタイル58kg級で優勝。翌年の1999年4月、同じ朝霞市立総合体育館で行われた同大会（世界選手権代表選考会を兼ねる）でも58kg級で優勝し、優秀選手賞にも選ばれている。

国際舞台での挑戦

国内外で傑出した成績を残した西見氏は、日本代表として数多くの国際大会にも出場した。キャリア最大のハイライトの一つは、1996年に開催されたアトランタオリンピックへの出場だろう。グレコローマンスタイル57kg級の日本代表としてオリンピックの舞台に立ち、世界の強豪と渡り合い、見事8位入賞という成績を残した。

また、オリンピック以外にも、世界選手権には1998年（イェヴレ大会）に58kg級で出場し13位、1999年（アテネ大会）にも58kg級で出場し26位という成績を残している。

さらに、様々な国際招待大会や地域大会でも活躍を見せた。

1990年2月：フィンランド国際大会（グレコローマンスタイル52kg級） 金メダル
1995年1月：イランイスラム共和国ファジール国際大会（グレコローマンスタイル57kg級） 銀メダル
1995年2月：ドイツ国際大会（グレコローマンスタイル57kg級） 銅メダル
1996年3月：ノルウェー国際大会（グレコローマンスタイル57kg級） 金メダル
1996年4月：アジア選手権（中国・グレコローマンスタイル57kg級） 銀メダル
1997年5月：東アジア競技大会（釜山・グレコローマンスタイル57kg級） 銅メダル
1998年12月：第13回アジア競技大会（バンコク） 5位入賞
1999年2月：ディープシュルツ国際大会（アメリカ・グレコローマンスタイル57kg級） 銀メダル

これらの豊富な国際経験は、西見氏が国内だけでなく世界のトップレベルでも通用する実力を持っていたことを示している。

選手としての第一線を退いた後も、自衛官として日本のスポーツ振興、特にレスリング界に貢献している。

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