西谷 (久万高原町)

西谷の概要

西谷（にしだに）は、愛媛県上浮穴郡久万高原町に位置する大字で、かつては旧柳谷村の一部として知られていました。この静かな山村は手つかずの自然に囲まれ、約130人の住民が暮らしています。

地理的特徴

西谷は愛媛県の南部、面河川の支流である黒川流域に位置しています。この地域は国道33号線から派生した国道440号が貫通し、黒川に沿って南へ向かっています。南側には地芳峠があり、高知県と接しています。ここでは四国カルストと呼ばれる高原が広がり、絶景が楽しめるスポットとしても知られています。

国道440号の改良により、以前よりも便利になり、柳谷村役場があった柳井川地区へのアクセスも楽になりました。観光地である四国カルストや周辺の美しい風景地へも容易に行けるようになったのです。

社会と集落の成り立ち

西谷は明治時代に設けられた町村制度に伴い、柳谷村を形成する二つの旧村の一つです。村内にはいくつかの小字が存在し、具体的には「西谷」「郷角」「小村」「名荷」「古味」「中畑」「横野」「中久保」「菅行」「高野」「猪伏」があります。

集落は黒川の支流沿いや少し上の山腹に点在し、水田も見られます。地域住民も少なく、2020年の国勢調査によれば、世帯数は86、人口は134人でした。主な施設としては西谷生活改善センターや簡易郵便局があり、地域住民の生活を支えています。

教育と歴史

教育面では、小中学校は閉校しており、かつてこの地域には明治時代に設立された学校の前身がありましたが、その詳細は久万高原町立柳谷小学校のホームページに記載されています。歴史的には、藩政期には伊予松山藩に属していたことが分かっています。

地域の産業

かつて西谷は焼畑農業が盛んでした。昭和20年代には、地形と気候を活かしたミツマタの栽培が急増し、この時期が生産のピークでした。しかし、用途の限界から需要が減少し、好景気は長く続きませんでした。現在は、自給的な小規模農業と林業が主な産業とされ、特筆すべき産業は見当たりません。かつては造林技術に優れた林業家が多く、時には他地域に出稼ぎに出ていたこともありました。

交通アクセス

交通面では国道440号が地域を通っており、最近の改良によりアクセスが向上しました。特に、柳谷大橋と矢淵大橋を利用することで面河川を越えるルートが整備されており、落出トンネルと本村トンネルを経由すれば久万高原町立柳谷小学校付近にも短時間でアクセスできます。高知県との境である地芳峠も地芳トンネルを通じて素早く抜けることができるため、利便性が増しています。

西谷は自然に囲まれた静かな山村であり、訪れる者にとって穏やかで魅力的な地域の歴史や文化を感じさせてくれる場所です。

もう一度検索