西郷吉二郎

西郷吉二郎の生涯

西郷吉二郎（さいごう きちじろう）は、幕末期に活躍した薩摩藩士であり、西郷隆盛の弟として知られる。彼は西郷吉兵衛の次男であり、正式な名前は隆廣とされている。吉二郎の人生は、当時の日本の激動と密接に関連している。

幼少期と成長

1833年（天保4年）、吉二郎は薩摩国鹿児島城下の加治屋町に生まれた。1843年（天保14年）には藩主に初めてお目見えし、藩士としてのキャリアが始まる。その後、1852年（嘉永5年）に父の西郷吉兵衛が死去し、兄の隆永が家督を相続した。吉二郎自身も、1854年には東郷仲五郎に書道を教えるなど、教育者としての側面を持ち合わせていた。

薩摩藩士としての活躍

吉二郎は1862年（文久2年）に、弟の西郷小兵衛と共に藩から遠慮の命令を受ける。また、同時期に兄西郷隆盛が沖永良部島に配流される中、家族を支えるために家政を取りしきっていた。彼は江戸に滞在する兄を代行し、藩の記録所に代理で「差出」を提出するなど、兄の負担を軽減していた。

戊辰戦争と戦死

1868年（慶応4年）、吉二郎は番兵2番隊監軍として越後国に出征した。しかし、同年8月14日、戊辰戦争における戦闘中に負傷し、戦死する運命を辿った。彼の葬所は越後高田にあり、墓所は上越市の金谷山公園に設けられている。なお、鹿児島市の西郷家の墓地には彼の遺髪が埋葬されている。

死後の評価

1869年（明治2年）には、遺族に対して扶持米が下賜された。1916年（大正5年）には従五位を追贈され、その生涯が評価された。吉二郎の存在は兄の隆盛にとっても重要であり、隆盛は「自分が国家のために奉公できたのは、吉二郎が兄として責務を果たしてくれたから」と述べている。

家族と親族

吉二郎の父は西郷吉兵衛、母は政佐である。彼は妻のマス（有馬九之丞の娘）を持ち、彼女は1865年に死去している。その後、仁礼平蔵の妹である園と再婚し、彼との間には1男1女が誕生した。子女には、西郷隆準とミツがおり、ミツは足立幾彦の妻としても知られる。

文化的影響と登場作品

西郷吉二郎を取り上げた作品も多く、テレビドラマ『田原坂』や『西郷どん』などに登場し、彼の存在が大河ドラマでも描かれるようになった。彼の生涯は、今なお日本の歴史の中で語り継がれ、彼の足跡は日本の近代化に大きな影響を与え続けている。

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