見合い計算

見合い計算とは

囲碁における「見合い計算」とは、主に以下の2つの意味を持つ計算方法です。

1. 地の計算：局面全体の形勢を判断するための計算。
2. 手の価値の計算：ヨセにおける最適な手を選択するための計算。

また、王銘琬氏が提唱した「絶対計算」も、この見合い計算と同じ考え方に基づいています。

地の計算

地の計算は、以下の手順で行います。

確定地の計算：既に確定している地は、そのまま数えます。
未確定地の計算：未確定の地については、その権利に基づいて計算します。
両後手の場所：黒から打った場合と白から打った場合の両方を計算し、その中間値を現在の地とします。これは、双方が同等の権利を持つためです。
片先手の場所：先手を持つ側が打ったものとして計算します。権利を持つ側が有利になるためです。
両先手の場所：権利が強い方が打ったものとして計算するのが妥当ですが、実際には計算を保留することが多いです。これは、両方の権利が複雑に絡み合い、単純な計算が難しい場合があるためです。

計算の妥当性

見合い計算は、あくまで近似的な計算方法です。本来の形勢は、双方が最善を尽くした場合の結果ですが、見合い計算では必ずしも一致するとは限りません。しかし、見合い計算が有効なのは、双方が最善を尽くす手順を全て読み切るよりも、遥かに計算が簡単であるからです。もちろん、見合い計算自体も十分に難しいものであることに変わりはありません。

手の価値の計算

手の価値は、その手を打つ前と打った後の地の差によって計算します。具体的には、以下の手順で行います。

1. 打つ前の地の計算：現在の局面の地を見合い計算で計算します。
2. 打った後の地の計算：その手を打った後の局面の地を見合い計算で計算します。
3. 手の価値の算出：打った後の地から打つ前の地を引いた差が、その手の価値となります。

見合い計算の特徴と出入り計算との比較

見合い計算には、以下のような特徴があります。

分かりやすさ：現在の地の計算に、その手の価値を足すことで、打った後の局面の地がわかるため、損得勘定がしやすいです。
比較のしやすさ：先手や後手を考慮せずに手の価値を比較できるため、より客観的な判断が可能です。
逆ヨセの評価：出入りの目数が同じ場合、逆ヨセは両後手の2倍の価値があることがわかります。これは、逆ヨセが相手に打たれると、より大きな損失になるためです。

権利と先手

囲碁における「権利」とは、ある手を打つことで、その後に続く手段が大きくなる場合に生まれるものです。特に、後続手段が盤上で最大となる時、その手は「先手」になります。したがって、後続手段が大きいほど、その手の権利も大きくなります。見合い計算において、この権利の概念は、地の計算や手の価値を評価する上で非常に重要な役割を果たします。

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