後手

後手：先手と対照する概念

ボードゲームにおいて、プレイヤーは「先手」と「後手」に分かれ、交互に手を進めていきます。「後手」とは、先手プレイヤーの次に着手するプレイヤーを指す一般的な用語です。後手は「後手番」とも呼ばれます。

将棋における後手

将棋において、後手は先手の直後に行動するプレイヤーです。通常、先手と後手の決定は、振り駒などで行われます。ただし、駒落ち将棋の場合は、駒を落とした方が「上手」、落とされた方が「下手」となり、この場合、「後手」という用語は使用されません。上手は先手から指し始めます。

囲碁における後手

囲碁でも、「後手」は先手の次に着手するプレイヤーを指す場合がありますが、状況によって意味合いが変化します。

一つ目は、通常の対局における後手です。これは将棋と同様に、先手の次に着手するプレイヤーを指します。ただし、置き碁のように、黒石を置いた方が「上手」、置かれた方が「下手」となる場合もあり、この場合も「後手」という用語は用いられません。上手は先手から打ち始めます。

もう一つの意味は、特定の局面における戦略的な概念です。例えば、相手が「手抜き」をした場合、先手が大きな利益を得る可能性があります。この「手抜き」をされた側の対応策を「後手で受ける」といいます。これは、相手の「手抜き」を許さず、利益を最小限に抑えるための戦略的な一手です。また、互いに「手抜き」をせずに、相手の近くに石を置いていく攻防において、最後の着手を「後手を引く」と言います。この着手で、その攻防は一段落します。

将棋における特殊な「後手」

将棋では、「後手」は、局面を打開する上で、不利益を回避するための指し手を強いられる状況で使われることもあります。例えば、王手や飛車取りなどのピンチを回避する際に、その回避策が完了した段階で、手番を握っていない状態を指して「後手」と言います。この場合も、「後手を引く」という表現が使われます。これは、より不利な状況に追い込まれることを回避するための、苦渋の選択というニュアンスを含みます。

先手と後手の関係性

先手と後手は、常に相対的な概念です。先手は、ゲームの開始を握り、戦略の自由度が高いと言えますが、後手は先手の行動を予測し、それに対応する必要があり、戦略の組み立てがより複雑になります。ゲームの展開は、先手と後手の駆け引きによって大きく左右されます。どちらが有利かは、ゲームの種類、局面、プレイヤーの力量など、様々な要素に依存します。

まとめ

「後手」は、一見単純な用語ですが、ゲームの種類や状況によって、その意味合いが微妙に変化します。将棋や囲碁においては、それぞれのゲームのルールや戦略に則った、より深い意味を持っています。本記事では、これらの違いを明確に示し、より正確な理解に繋がるよう解説しました。将棋や囲碁の戦略を考える上で、「後手」という概念を理解することは、非常に重要です。

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