見性院 (穴山梅雪正室)

見性院について

見性院（けんしょういん、? - 1622年6月17日）は、戦国時代から江戸時代初期にかけて活躍した女性であり、甲斐国の武田家の一員として知られています。その背景には、戦国時代の名門武田家とその血脈が深く関与しています。

生い立ちと家族

見性院は武田信玄の次女で、実母は信玄の正室である三条夫人とされています。彼女には、同じ母から生まれた兄弟姉妹が多数おり、兄には武田義信、姉には北条氏政の妻である黄梅院殿がいました。さらに、父である信君は、有力な武田家の家臣であり、地元の国衆として高い地位を維持していました。

穴山信君（梅雪）は見性院の夫で、彼女が正室となったのは永禄年間とされています。この結婚により、見性院は穴山家の正式な一員となり、彼らの家系を通じて武田家の流れを受け継いでいくことになります。彼らの間には嫡男である勝千代（信治）が生まれました。

武田家の動乱

天正10年（1582年）、織田信長と徳川家康による甲州征伐の際、信君は連合軍に通じ、その功績から武田宗家の継承を認められることとなります。しかし、本能寺の変が発生し、信長が討たれると、信君も運命に翻弄され、横死します。その後、穴山家は勝千代が当主となりますが、彼も天正15年（1587年）に早世し、家は断絶することになります。

このように、見性院は家の興隆と衰退の渦中にありながらも、家康によって保護され、江戸城北の丸に邸を賜ることとなります。彼女は家康の2代将軍、徳川秀忠の子供を養育し、子育てに専念する日々を送りました。

晩年と死去

元和8年（1622年）、見性院は江戸城の田安門内にある比丘尼屋敷で病に倒れ、生涯を閉じました。彼女の死後、埼玉県さいたま市緑区の清泰寺に墓が立てられ、そこにはケヤキが植えられ、彼女の存在を今に伝えています。その後、安政5年（1858年）には松平容保によって墓塔が建設され、彼女の記念を永遠に留めることになりました。

また、見性院に関連するいくつかの作品が存在しています。1986年にはTBSの「おんな風林火山」に、2000年にはNHKの「あおい徳川三代」に登場し、彼女の人生が映像としても表現されています。見性院はその生涯を通じて、武田家の歴史に重要な足跡を残した女性として、今なお語り継がれています。

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