見積

見積もりとは

見積もりとは、ある製品やサービスに対して、事前に金額、数量、期間、行動などを概算する行為です。これは、おおよその見当をつける口語的な表現としても使われます。特に売買契約においては、購入者が予算を立て、適正な相場で購入するための重要なステップとなります。

見積もりの概要

売買契約において、購入を検討する際、購入者は予算を準備し、市場価格の指標を把握する必要があります。そのため、購入者は販売業者に見積もりを依頼します。販売業者は、製品の購入やサービスに必要な費用を算出し、見積額や計算書（見積書）を購入者に提示します。

見積もりは、仕入値に利益率を上乗せするだけで作成できる場合もありますが、業種によっては作成に労力を伴うこともあります。しかし、見積もり作成自体に対する対価が請求されないことが多いのが現状です。

見積もりの歴史

見積
『両京里言考』(1868-70頃)で「荒増の見積り」という表現が使われています。
『英和外交商業字彙』(1900)には「Estimate 見積」とあります。
内田魯庵の『社会百面相』(1902)では「見積り」という言葉が使われています。
宮嶋資夫の『金』(1926)では「見積り何十億円」という表現が見られます。
見積額
[行政代執行法]では「費用の概算による見積額」という言葉が使われています。
見積書
斎藤緑の『覿面』(1895)では「他店の見積書」という表現が見られます。
住宅改良会規則(1916)では「見積書」を会員に配付すると記載されています。
内田魯庵の『社会百面相』(1902)では「損益概算見積り書」という言葉が使われています。

相見積もりとは

相見積もりとは、複数の業者から見積もりを取る行為です。これは、購入価格を抑えたり、より良い品質の製品やサービスを選んだり、納期を短縮したりするために行われます。

相見積もりの目的

相見積もりを行う主な目的は以下の通りです。

価格の比較: 複数業者から見積もりを取ることで、価格を比較し、最もお値打ちな業者を選ぶことができます。
品質の比較: 価格だけでなく、品質やサービス内容を比較することで、より良いものを選ぶことができます。
納期や条件の比較: 納期や支払い条件など、価格以外の要素も考慮して業者を選ぶことができます。
癒着防止: 業者との癒着を防ぎ、公平な取引を行うことができます。

相見積もりは、個人でも組織でも行われ、入札制度がない場合でも、複数の業者から見積もりを取れば相見積もりとみなされます。

相見積もりの注意点

相見積もりは、価格だけで比較できない場合もあります。例えば、送料やポイント還元、補償内容、サービスの質など、価格以外の要素も考慮する必要があります。

また、デザインやイベントのプランニングなど、業者によって提供内容が大きく異なる場合は、相見積もりよりも随意契約やコンペ方式が適している場合があります。

ネット上の相見積もり

近年では、インターネット上で相見積もりを行うサイトも多く存在しています。これらのサイトでは、製品の価格を比較したり、複数の業者に見積もりを依頼したりすることができます。

あてみつ・すてみつ

あてみつ（当て馬の見積もり）や、すてみつ（捨てるだけで採用されない見積もり）という言葉は、発注者が最初から特定の業者に発注することを決めているにも関わらず、相見積もりを装う際に使われます。これは、価格の妥当性を確認したり、価格交渉の材料として利用されたりすることが目的です。この場合、他の業者から見ると、見積もりを提出しても受注できない、または交渉の材料として利用されるだけであるため、不公平な状況と言えます。

標準的施工経費見積り

公共工事における予定価格は、標準的な施工能力を持つ業者が、最も妥当と考えられる工法で施工した場合に必要となる経費を基準として積算されます。これは、入札参加者が予定価格内で施工できることを前提としており、最も有利な者が落札者となるように設計されています。

まとめ

見積もりは、売買契約において重要な役割を果たす行為です。相見積もりを適切に活用することで、価格を抑えたり、より良い製品やサービスを選んだりすることができます。ただし、相見積もりは価格以外の要素も考慮する必要があるため、状況に応じて適切な方法を選択することが重要です。

関連項目

調達 - QCD - SCM
原価
見積原価計算
積算
積算士
* ファンクションポイント法

もう一度検索