アルバム『親指姫』の概要
『親指姫』(おやゆびひめ)は、
1989年11月21日に
キングレコードからリリースされた、
山瀬まみの三枚目となるオリジナルアルバムです。この作品は、彼女が
アイドルとして活動する中で培った経験を基に、新たな音楽スタイルへの挑戦を示しています。
このアルバムが生まれた背景には、
山瀬まみのマネージャーである岡孝二郎の存在がありました。彼は、正統派
アイドルとしての成功が限られている中で、山瀬にアーティストとしての新たな可能性を見いだし、
月光恵亮をプロデューサーとして迎え入れ、ロック色豊かな楽曲で構成する「
山瀬まみロック化計画」を実施しました。
さらに、アルバムには著名なロックアーティストが多く参加しており、
矢野顕子や
UNICORNの
奥田民生、
聖飢魔IIのデーモン小暮、
ZIGGY、
筋肉少女帯といった豪華な顔ぶれが集結しています。これにより、
山瀬まみは自身の音楽的な幅を広げることとなり、結果的にこのアルバムは彼女のキャリアにおける最大のヒット作として記憶されることとなりました。
著名な
音楽評論家、兵庫慎司はこのプロジェクトについて「正統派
アイドルのポップスとしては売れなかったが、ロックミュージシャンとのコラボレーションが成功した要因である」と分析しています。この意見は、アルバムの成功を裏付ける重要な視点となっています。
収録曲
『親指姫』には以下のような多彩な楽曲が収録されています。各楽曲は
山瀬まみの個性とさまざまなアーティストとのコラボレーションが感じられます。
- 作詞:
サエキけんぞう
- 作曲:
奥田民生
- 編曲:三柴理
- 作詞:朝野深雪
- 作曲:
宮本直樹
- 編曲:
横関敦
- 作詞:
山瀬まみ
- 作曲:
白浜久
- 編曲:三柴理・
横関敦
- 作詞:大山正篤
- 作曲:塚本晃
- 編曲:三柴理
- 作詞:
サエキけんぞう
- 作曲:
矢野顕子
- 編曲:三柴理
- 作詞:大山正篤
- 作曲:
月光恵亮
- 編曲:
横関敦
- 作詞:
山瀬まみ
- 作曲・編曲:
横関敦
- 作詞:
泉麻人
- 作曲:デーモン小暮
- 編曲:
横関敦
- 作詞:
山瀬まみ
- 作曲:戸城憲夫
- 編曲:三柴理
- - 恋人よ逃げよう 世界はこわれたおもちゃだから!
- 作詞:
大槻ケンヂ
- 作曲:内田雄一郎
- 編曲:三柴理
参加ミュージシャン
このアルバムには多くの才能あるミュージシャンが参加しており、音楽的な奥深さを増しています。特に以下の方々が重要な役割を果たしました。
- - 横関敦(ギター)
- - 神長弘一(ギター)
- - 三柴江戸蔵(キーボード、ピアノ、シンセサイザー)
- - 中村哲夫(ベース)
- - 諸田コウ(ベース)
- - 梅沢康博(ドラムス)
- - 小柳昌法(ドラムス)
アルバムの評価
アルバム『親指姫』はそのユニークさと音楽的な冒険心から高く評価されています。CDジャーナルは「
山瀬まみの絶唱が続く爽快なアルバム」と表現し、特に『芸能人様のお悩み』のエッジの効いた歌詞に注目しています。
また、TOWER RECORDS ONLINEでは「
アイドル×ロックの金字塔」と称賛され、その影響力を伝えています。
音楽評論家の円堂都司昭は、このアルバムを通じて、
アイドルとハード・ロックの融合が笑いを生むという視点から評価し、特に山瀬が作詞した『かわいいルーシー』のユニークなコンセプトについて触れています。
『親指姫』は、ただの
アイドルアルバムではなく、アーティストとしての
山瀬まみの挑戦と成長が感じられる一枚となっています。