親衛隊勤続章

親衛隊勤続章について

親衛隊勤続章（SS-Dienstauszeichnung）は、ナチス・ドイツ時代において与えられた勲章で、アドルフ・ヒトラーが1938年1月30日に制定しましたが、資料によっては1936年3月14日との記載も見られます。この勲章は親衛隊の勤続年数に基づくもので、5つの異なる等級（4年、8年、12年、25年、40年）に分かれています。各等級ごとにデザインが異なり、受賞者の勤続年数を象徴しています。親衛隊勤続章には「FÜR TREUE DIENSTE IN DER SS（SSへの忠勤のため）」という文言が刻まれています。また、デザインはミュンヘンのカール・ディービチによって手がけられました。

勤続章の等級

4年勤続章

4年勤続章は黒色のメダルで、親衛隊の中で最も多く授与されたもので、主に男性の親衛隊下士官に限定されています。このメダルは、親衛隊員が4年間にわたり従事したことを示すものです。

8年勤続章

8年勤続章は銅色のメダルであり、こちらは全ての親衛隊員が対象となっています。8年間の勤務を経た者に授与され、その貢献を称える役割を果たしています。

12年勤続章

12年勤続章は銀色のハーケンクロイツを模したデザインで、12年間の勤務を示すためのものであり、親衛隊員にとっては名誉ある証となるものでした。

25年勤続章

25年勤続章には金色のハーケンクロイツが使われています。25年という長い期間にわたって親衛隊での奉仕が認められ、非常に尊重されるものでありました。

40年勤続章

一方、40年勤続章は制定されていましたが、実際には親衛隊が40年続くことはなく、したがって実際の授与は行われませんでした。この背景には、ナチス・ドイツの崩壊や戦後の状況が影響を与えています。

他の勤続章との関係

親衛隊勤続章は親衛隊専用のものであり、他の軍事部門や組織にはそれぞれの勤続章が存在します。例えば、ドイツ国防軍には国防軍勤続章が設けられ、またNSDAPにはNSDAP勤続章、警察には警察勤続章が用意されています。これにより、親衛隊に特化した評価と他部門での貢献がそれぞれ異なる形で認識されていました。

結論

親衛隊勤続章は歴史的背景を持つ勲章であり、ナチス・ドイツの時代における親衛隊員の奉仕を称えるものでした。各等級にはそれぞれの意味が込められており、受賞者にとっては大きな誇りとなるものでした。歴史の中でこのような勲章がどのように扱われていたのかを知ることは、ナチス時代の真実に迫る一助となります。

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