親衛隊階級

親衛隊の階級及び階級章の概要

ナチス・ドイツの親衛隊（SS）における階級制度は、その組織の歴史と密接に関わっています。この制度の起源は、一般親衛隊の初期の部隊編成にあり、かつては突撃隊の模倣から発展しました。親衛隊は、さまざまな部隊構成を持ち、それぞれに名称と指揮官のタイトルが設けられていました。これらの呼称は時を経て階級制度へと変わっていきました。

階級制度の変遷

初期の親衛隊の部隊編成は以下のように階層化されていました：

• - 親衛隊集団（SS-Gruppe）
• - 親衛隊旅団（SS-Brigade）
• - 親衛隊徒歩連隊（SS-Fuß-Standarte）
• - 親衛隊大隊（SS-Sturmbann）
• - 親衛隊中隊（SS-Sturm）
• - 親衛隊小隊（SS-Schar）
• - 親衛隊分隊（SS-Rotte）

指揮官は「指導者（Führer）」と呼ばれ、実際の部隊名称は後に階級名として受け継がれることとなりました。特に、親衛隊集団と親衛隊旅団は上級地区や地区に置き換えられましたが、それぞれの指導者の階級名はその後も残りました。特に、親衛隊上級集団指導者（SS-Obergruppenführer）の階級は、1934年の「長いナイフの夜」の後に確立されました。

階級章の特徴

親衛隊の階級は、襟章と肩章によって識別されるようになりました。襟章は1929年に導入され、続いて肩章は1933年に採用されました。当初は、腕章のデザインは突撃隊のものを基にした黒と銀の配色でしたが、1938年には武装SSにおける階級が細分化され、陸軍型肩章が登場しました。この変化は階級の明確化につながり、一般SSでも同様の肩章が使われるようになりました。

1934年の事件以降、親衛隊の階級章にはさらに改良が加えられ、1942年4月には新たに親衛隊上級[[大将]]（SS-Oberst-Gruppenführer）の階級が追加されました。このように、親衛隊の階級章は時代と共に進化を遂げました。

一般SSと武装SSの階級の違い

親衛隊の階級において、一般SSと武装SSとの間には明確な違いが見られました。特に、親衛隊二等兵と親衛隊一等兵の呼称が異なり、武装SSでは二等兵は「SS-Schütze」と呼ばれ、一般SSでは「SS-Mann」と呼ばれました。一等兵も両者で「Ober-」の接頭辞が付く点は共通しています。

将官に関しては、武装SSはドイツ国防軍陸軍と同様の階級を用いていました。武装SS大将の持つ階級は、「親衛隊上級集団指導者および武装親衛隊大将（SS-Obergruppenführer und General der Waffen-SS）」という形で、一つの肩書に統合されていました。

また、ナチス・ドイツの警察はSSと密接に関連していたため、警察の将官も一般SSと武装SSの肩書きを併せ持つことが一般的でした。

階級一覧と参考文献

1934年から1945年にかけての階級一覧と、それ以前の階級については詳細な参考文献があります。特に、D.S.V.フォステンやロビン・ラムスデンの著書が有名です。これらの資料では、親衛隊の軍装や階級章に関する詳細情報が記されています。

このように、ナチス・ドイツの親衛隊の階級制度は、その歴史や変遷と深く結びついており、複雑な組織構成を反映しています。

もう一度検索