覲子内親王

覲子内親王の生涯

覲子内親王（きんしないしんのう、1181年11月13日 - 1252年7月15日）は、平安時代後期に活躍した皇族であり、後白河天皇の第六皇女にあたる。彼女の女院号は宣陽門院（せんようもんいん）で、母は高階栄子（丹後局）とされている。彼女の生涯は、時代の変遷に伴う政治的な影響力と家族との関係に彩られている。

幼少期と内親王宣下

文治5年（1189年）、9歳の若さで内親王の宣下を受けた覲子内親王は、同時に准三后としての地位も与えられた。さらに彼女は、建久2年（1191年）には11歳で院号を得る。この時期には、後白河天皇の父である後白河院から長講堂とその附属領が譲渡され、彼女は広大な所領を持つこととなった。わずか数年後の建久3年（1192年）3月、彼女の父が崩御したこともあり、覲子内親王は未成年ながら重要な地位につくことになった。

権勢と出家

建久6年（1195年）には、源頼朝と北条政子夫妻から拝謁を受けるなど、平安時代の権力者たちとも交流を持っていたことが示されている。元久2年（1205年）には出家し、法名として性円智を名乗った。

統治と影響力

建暦元年（1211年）には、八条院の崩御により、後鳥羽天皇の皇統が否認されたことから、皇族の中でも最も発言力のある人物となった。彼女は後鳥羽天皇の皇子である雅成親王を養子に迎え、また、関白近衛家実の娘・近衛長子を養女として得て、後堀河天皇のもとに入内させるなど、政治的な駆引きも行った。これにより、覲子内親王は皇位継承を巡る重要な立場を確立することを試みた。

養女の入内と権力の変動

承久の乱に巻き込まれなかったため、長講堂領などの所領は安堵され、彼女はその後の皇位継承に向けた策を講じることができた。養女の長子が生む皇位継承者に長講堂領を譲ろうとしたが、後堀河天皇の早世により計画は失敗に終わった。それでも、四条天皇を猶子として引き取り、長子を天皇の准母となるよう促した。

最後の年と譲渡劇

長講堂領の継承に関しては、後嵯峨上皇との間で意見の対立があったものの、最終的には建長3年（1251年）に後深草天皇へ譲渡されることとなる。建長4年（1252年）、72歳で生涯を終え、覲子内親王はその生涯を通じて、平安時代の政治において重要な役割を果たした。

彼女の生涯と政治的な活動は、当時の日本において女性が持ちうる権力とその影響力を示す重要な事例であり、歴史的にも大きな意味を持つものである。

もう一度検索