観山正見

観山 正見（みやま しょうけん）

観山 正見（1951年5月22日生）は、日本の著名な天文学者、宇宙物理学者です。特に理論天文学、とりわけ星々や惑星系がどのように生まれるかという形成過程の研究を専門としています。京都大学で学び、理学博士の学位を取得しました。

広島県東広島市の出身で、ご実家は室町時代から続く歴史ある浄土真宗本願寺派のお寺、長円寺です。ご自身も浄土真宗の僧侶資格をお持ちです。学問の道では、素粒子物理学や宇宙物理学の分野で大きな業績を残した林忠四郎の薫陶を受けました。広島大学附属中学校・高等学校を卒業後、京都大学理学部に進学し、林忠四郎教授が主宰する物理学科の天体核物理学研究室で学びました。

1981年に京都大学大学院理学研究科博士後期課程を修了し、課程博士として理学博士号を取得。1983年には京都大学理学部で助手として研究・教育に携わりました。その後、日本の天文学研究の中核を担う国立天文台へ移籍。1989年に理論天文学研究系の助教授となり、1992年には教授に昇任しました。国立天文台では、理論研究部教授のほか、研究主幹、企画調整主幹、副台長といった要職を歴任し、組織運営にも深く関わりました。そして2006年、国立天文台の台長に就任し、日本の天文学研究の最前線を率いました。

2012年に国立天文台長を退任後、広島大学の特任教授に就任。2015年からは神戸大学大学院理学研究科附属惑星科学センターで特命教授およびセンター長として4年間、惑星科学分野の研究・教育を推進しました。さらに2021年からは、岐阜聖徳学園大学および岐阜聖徳学園大学短期大学部の学長として、高等教育の運営にも尽力されています。

研究活動においては、コンピュータシミュレーションを理論研究に積極的に取り入れることの重要性を、日本国内においていち早く提唱した一人です。京都大学在籍時には、当時導入されたスーパーコンピュータシステムを用いて、物理学会長の松田卓也らと共同でシミュレーション研究を進めました。国立天文台においても、初期の機種から最新のものまで、スーパーコンピュータシステムの導入に熱心に取り組み、その活用についても、広く研究コミュニティに開かれた形での利用を推奨しました。また、企画調整主幹としては、様々なプロジェクトを効果的に推進するための優先順位付けや区分けといった工夫を行い、組織の機能強化に貢献しました。副台長としては、アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計（ALMA）計画のような国際共同プロジェクトにおいて、特に米国天文学会との調整役を果たすなど、国際的な協力関係の構築にも尽力しました。

所属学会は、日本天文学会、日本物理学会、日本惑星科学会、国際天文学連合など多岐にわたります。研究成果は多くの論文として発表されていますが、一般向けの著書も多数執筆しており、『新しい宇宙の探求』（岩波書店）、『宇宙の進化・星』（恒星社厚生閣）、『太陽系外惑星に生命をさがせ』（光文社新書）などの単著や、『シミュレーション物理学』（朝倉書店）、『宇宙の地図』（朝日新聞出版）といった共著があります。

観山正見氏の業績は、理論天文学におけるシミュレーション手法の確立と普及、国立天文台をはじめとする研究機関の運営への貢献、そして国際的な天文プロジェクトの推進と多岐にわたり、日本の宇宙物理学・天文学の発展に大きな足跡を残しています。

参考文献や関連情報は、KAKEN（科学研究費助成事業データベース）、researchmap、J-GLOBALなどのデータベースで確認できます。また、師である林忠四郎や、京都大学の人物一覧なども関連事項として挙げられます。

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