観音寺 (秩父市寺尾)

要光山観音寺とは

観音寺（かんのんじ）は埼玉県秩父市に位置し、真言宗豊山派に属する寺院です。この寺院は要光山の名前で知られています。本寺院の本尊は「火伏観音」として知られる聖観世音菩薩であり、その特徴的な信仰の背景は興味深いものです。

本尊と御詠歌

観音寺の本尊にあたる聖観世音菩薩は、特に火を避ける力があるとして信仰されています。本尊に唱えられる真言は「おん あろりきゃ そわか」で、参拝者はこの言葉を心に留めながら願いを込めて参拝します。また、寺院の御詠歌には「梓弓いる矢の堂に詣で来て 願ひし法にあたる嬉しさ」とあり、祈りの深さが感じ取れます。

歴史的背景

観音寺の創建年ははっきりとしていませんが、歴史的な逸話が多く伝えられています。この寺院の観音堂は一般的に「矢之堂」と呼ばれており、名前の由来にはいくつかの説があります。一説には、当寺院がもともと武蔵国の秩父郡矢納村にあったことに由来するというものや、日本武尊や平将門が矢を納めたという伝説があります。また、行基が邪神による火事に遭遇した際、八幡神が矢を放って火を鎮めたという故事も関係しています。

これらの伝承が結びつき、本尊である観音菩薩は火伏の力を持つとされるようになりました。特に1923年の大正12年に起きた火事では、幸いにも本尊が無事に救出されたとのこと。再建は秩父郡倉尾村にあった廃寺の材料を使用して行われ、現在の姿を取り戻しました。

文化財

観音寺は「札所21番」としても知られており、昭和40年1月25日には秩父市の指定史跡となりました。この文化財の指定は、寺院の歴史的・文化的意義を示し、多くの人々に訪れられる理由ともなっています。

アクセス情報

観音寺へのアクセスは、札所21番の停留所から徒歩約1分で到着することができます。路線バスを利用すれば、比較的容易に訪れることができるため、観光スポットとしても注目されています。

参考文献

観音寺についてさらに詳しい情報を知りたい方には以下の文献をお勧めします。

• - 安宅夏夫著、西田信夫写真『秩父三十四カ所めぐり（楽学ブックス 古寺巡礼4）』JTBパブリッシング、2008年
• - 小林祐一著『秩父三十四カ所 札所めぐり 観音霊場巡礼ルートガイド』メイツ出版、2017年

これらの資料を通じて、観音寺のさらなる魅力を感じることでしょう。

もう一度検索