角倉一朗

角倉 一朗

日本の著名な音楽学者であり、東京藝術大学音楽学部の名誉教授。1932年10月27日に東京に生まれた。

経歴

東京藝術大学音楽学部楽理科を卒業後、同大学の研究科に進み、音楽学の研鑽を積んだ。卒業後、教育者としてのキャリアをスタートさせ、桐朋学園大学で助教授を務めた。その後、母校である東京藝術大学に移り、長年にわたり教授として教鞭をとった。東京藝術大学では、多くの後進の指導にあたり、日本の音楽学界に多大な影響を与えた。氏の薫陶を受けた多くの門下生は、現在、全国各地の大学で音楽史や音楽理論関連の講義を担当するなど、教育・研究の第一線で活躍している。東京藝術大学を退官後は、神戸女学院大学の特任教授に就任し、引き続き研究・教育活動に携わった。

研究活動と業績

角倉氏は、ヨハン・セバスチャン・バッハの研究における日本の第一人者として広く認知されている。バッハの音楽だけでなく、幅広い西洋音楽史および音楽理論の分野においても深い造詣を持ち、その研究成果は国内外から高く評価されている。特に、複雑な音楽構造や歴史的背景に対する洞察力は、多くの研究者に影響を与えた。

主要著作・翻訳

角倉氏は、専門分野における数多くの重要な著作を執筆、あるいは海外の重要な文献を翻訳し、日本の音楽学研究の発展に大きく貢献した。

著書

『バッハ』（音楽之友社）
編著『現代のバッハ像』（白水社）
『バッハ作品総目録』（白水社）

訳書

音楽学、音楽社会学、音楽理論、和声法など、多岐にわたる分野の重要な著作を翻訳し、日本の研究者や学生が世界の最先端の音楽研究に触れる機会を提供した。

マックス・ヴェーバー 著『音楽社会学』（創文社）
ウルリヒ・ミヒェルス 著『図解音楽事典』（白水社）
カール・ダールハウス 著『音楽史の基礎概念』（白水社）
アレン・キャドウォーラダー&ディヴィッド・ガニェ 著『調性音楽のシェンカー分析』（音楽之友社）
ウォルター・ピストン 著『和声法』（音楽之友社）
アントニー・バートン 編『古典派の音楽　歴史的背景と演奏習慣』（音楽之友社）
その他多数の翻訳を手がけている。

角倉一郎氏の研究と教育への情熱、そして数多くの著作や翻訳活動は、日本の音楽学界、特にバッハ研究および西洋音楽史・理論の分野において、揺るぎない礎を築いたと言える。

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