角富士夫

角 富士夫（すみ ふじお）

角 富士夫（すみ ふじお、1956年5月31日 - ）は、福岡県出身の元プロ野球選手（内野手）です。福岡第一高等学校から1975年にヤクルトスワローズへ入団し、1994年に現役を引退しました。引退後も、ヤクルトでコーチや編成部門の管理職を務め、2019年からは東京国際大学硬式野球部の監督に就任しました。

1996年からは「角 冨士夫」という名義で活動していました。

プロ入り前

中学時代に野球を始め、福岡第一高等学校では1年生からレギュラーとして活躍しました。3年生の時には投手と4番打者を兼任し、チームを牽引しました。1974年には夏の甲子園に出場し、3回戦まで進出しました。この甲子園では、2回戦でホームランを放ち、注目を集めました。同年のドラフト会議でヤクルトスワローズから2位指名を受け、内野手としてプロ入りしました。

ヤクルト時代

1976年に一軍公式戦デビューを果たすと、徐々にその才能を開花させました。1978年には、主に三塁手として87試合に出場し、オールスターゲームにも出場しました。一時、首位打者争いに加わるほどの好調ぶりで、打率.273を記録。チーム初のリーグ優勝と日本シリーズ制覇に貢献しました。日本シリーズでは、第2戦でホームランを放つなど活躍しましたが、故障のため、日本一の胴上げには参加できませんでした。

1980年には初の規定打席に到達し、打率.281を記録しました。以降も、パンチ力のある打撃と堅実な守備を武器に、正三塁手として長く活躍しました。1984年には、全130試合に出場しています。1985年には、打率.245で規定打席に到達しましたが、これは規定打席到達者の中で最も低い打率でした。

1987年には、ボブ・ホーナーの入団により、三塁手の座を譲りました。しかし、翌年にはホーナーが退団したため、正三塁手に返り咲きました。1990年には、打率.301を記録し、現役生活で唯一の3割超えを達成しました。1991年には、セ・リーグの三塁手部門でゴールデングラブ賞を獲得し、守備でもチームに貢献しました。

1992年・1993年には、ジャック・ハウエルにポジションを譲りましたが、1992年の優勝決定前日の試合では、代打で決勝本塁打を放つなど、勝負強さを見せました。翌年の日本シリーズでは、三塁手として15年ぶりの日本一の瞬間を迎えました。

1994年に現役を引退。その後は、1995年に二軍内野守備・走塁コーチに就任し、2018年までヤクルトに在籍しました。一軍・二軍の打撃コーチ、二軍守備・走塁コーチなどを歴任し、チームの育成に尽力しました。2010年からはフロント（編成部門）に異動し、編成グループ次長を務めましたが、2018年10月31日に退団しました。

ヤクルト退団後

学生野球資格回復後に、2019年2月7日には東京国際大学硬式野球部の監督に就任しました。同大学には、ヤクルト時代のチームメイトである古田敦也が特命教授として在籍しており、角の監督就任は話題となりました。2021年に退任後は社会人野球チームの監督を務めています。

プレースタイル

主に三塁手として活躍し、高い守備力を誇りました。打撃では、若い頃は2番打者として、晩年は6,7番打者として活躍しました。長打力もあり、20代後半には5年連続で2桁本塁打を記録しました。

詳細情報

表彰:
ゴールデングラブ賞：1回 （三塁手部門：1991年）

記録:
初出場：1976年7月23日、対広島東洋カープ戦
初打席・初安打：1976年8月4日、対読売ジャイアンツ戦
初本塁打：1976年8月10日、対中日ドラゴンズ戦
100本塁打：1987年4月26日、対広島東洋カープ戦
1000試合出場：1987年9月11日、対読売ジャイアンツ戦
1000安打：1989年8月30日、対広島東洋カープ戦
200犠打：1991年6月16日、対横浜大洋ホエールズ戦
1500試合出場：1992年9月16日、対横浜大洋ホエールズ戦
オールスターゲーム出場：1回 （1978年）

背番号:
41 （1975年 - 1978年）
5 （1979年 - 1994年）
82 （1995年）
* 76 （1996年 - 2009年）

もう一度検索