角屋での暴挙

角屋での暴挙について

角屋での暴挙は、文久3年（1863年）6月に京都の島原花街に位置する揚屋、角屋で発生した出来事です。この事件は、新選組の局長である芹沢鴨が起こした乱暴狼藉として知られています。

発端

物事の始まりは、水口藩公用方が会津藩邸で、新選組による行動が問題視されたことにさかのぼります。この訴えを耳にした芹沢は、永倉新八、原田左之助、井上源三郎、武田観柳斎の4人を派遣し、水口藩に対して当事者の身柄引き渡しを要求しました。驚いた水口藩は、謝罪の意を示し、証文を作成してその場を収めました。

ところが、この無断での詫び状が水口藩主の耳に入れば、彼らも処罰の対象になる可能性があったため、二条通りにある道場の戸田一心斎を介して証文の返却を依頼しました。新選組側からは、「会議の場を設ければその場で返却する」との提案があり、その提案は宴会の形をとることになったのです。

経過

翌日、角屋での宴は盛大に行われました。証文は問題なく返却されたものの、酔いが回った芹沢は店の対応に苛立ち、ついにその行動がエスカレートしました。彼は愛用の鉄扇を振り回し、目の前の膳や店内の器物を次々と破壊し、さらには廊下の手摺りを外して酒樽に叩きつけ店内を混乱に陥れました。最終的に、角屋の店主・徳右衛門に7日間の営業停止を宣告し、衝撃的にその場を去ったのです。

余話

この事件の数ヶ月後、同年9月18日には、会津藩が催した宴会から泥酔して帰宅した芹沢が、近藤勇の一派に急襲され、命を落としました。彼と共にいた妾や平山五郎も同様に命を奪われましたが、平間重助と2名の芸妓はこの危機を逃れたと言われています。

興味深いことに、角屋は1641年に創業され、揚屋の遺構の中では唯一国の重要文化財として指定されています。現在は「角屋もてなしの文化美術館」となり、一般に公開されています。この歴史的背景を持つ角屋での暴挙は、今でも新選組の一つの事件として語り継がれています。

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