角山 (江別市)

角山（かくやま）

角山は、北海道江別市に位置する地名です。江別市域の北西端近く、石狩川と豊平川の合流地点に位置しています。石狩川の対岸に位置する篠津とは、新石狩大橋によって結ばれています。また、札幌市とは豊平川が境界となっていますが、南西部で同市東区東雁来と直接接しています。

歴史

元来は対雁地区の一部でしたが、1935年（昭和10年）2月20日の江別町内の字名改正により、当時の豊平川の河道以西が角山として分離されました。この地名は、三角点の設置された丘があったことに由来します。

1941年（昭和16年）には、豊平川の新河道が開削されました。しかし、この河道が西隣の篠路村福移との境界線と交差していたため、「東岸の篠路村民」と「西岸の江別町民」は互いに生活圏と行政区域が一致せず、著しい不便を強いられることになりました。

太平洋戦争末期の1945年（昭和20年）7月20日、東京都世田谷区から32戸の人々が着の身着のままで江別町に疎開してきました。彼らは野幌駅前の天徳寺に設けられた休息所で地元婦人会などの接待を受けた後、機農部落12戸の農家に分宿しました。終戦後、9月には角山原野の土地が疎開者1戸当たり7町5反歩割り当てられることになりましたが、実際に土地を取得したのは24戸でした。

彼ら「世田谷部落」の成立が江別町における戦後開拓の始まりでしたが、疎開者たちは誰一人農業経験がなく、さらに与えられた土地が長年放置されてきた泥炭地であったため、生活は困難を極めました。翌1946年（昭和21年）の春に入植を実施した者は18戸、その後1年間に1戸が脱落し、残った者は17戸に過ぎませんでした。

前述の境界問題に関する協議は、江別町の市制移行や篠路村の札幌市への合併を経てもなお続けられていましたが、1955年（昭和30年）4月1日をもって豊平川新水路に沿う形で境界線が引き直されました。これにより、「東岸の札幌市篠路町福移」は江別市へ、「西岸の江別市角山」は札幌市へ、それぞれ編入されることになったのです。

ギャラリー

[写真: 新石狩大橋]
[写真: 角山の風景]
[写真: 開拓時代の角山]

脚注

注釈

出典

参考資料

『江別市史』 上巻、北海道江別市役所、1970年3月31日。
* 『江別市史』 下巻、北海道江別市役所、1970年3月31日。

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