角島灯台

角島灯台の紹介

角島灯台（つのしまとうだい）は、山口県下関市の角島の北西端に位置し、夢ケ崎に立つ印象的な石造の灯台です。この灯台は、日本海、特に響灘に面しており、その美しい景観とともに多くの観光客を魅了しています。

灯台は全体が総御影石で造られており、無塗装の灯台として日本に存在する数少ないものの一つです。設計者は「日本灯台の父」と称されるリチャード・ヘンリー・ブラントンであり、彼の最後の作品でありながら、日本海側で初めての洋式灯台でもあります。彼の技術と情熱が注がれたこの灯台は、今なお彼の最高傑作と評されています。また、角島灯台は日本でも特に重要な灯台の一つであり、第1等灯台に指定されています。

灯台内部には歴史的なフレネルレンズが設置されており、これが日本最古のものであると言われています。このレンズは初点灯から150年以上もの間、角島灯台で活躍しており、特に8面閃光型の珍しいタイプです。夜の海を照らすその美しい光芒は、多くの観光客を引き寄せています。なお、犬吠埼灯台が1951年まで同じタイプのレンズを使用していたことも知られています。

角島灯台はその歴史や文化財的価値からAランクの保存灯台として位置付けられています。さらに、日本の灯台50選や近代化遺産、土木学会選奨土木遺産にも選定されています。灯台が位置する北長門海岸国定公園には、角島灯台公園が設けられ、灯台周辺は観光スポットとして整備されています。また、灯台守の宿舎であった退息所が復元され、現在は資料館として公開されており、一般の人々も内部を見学することができます。2020年には、国の重要文化財に指定されるという名誉を受けました。

歴史

角島灯台の歴史は非常に興味深いものがあります。1876年（明治9年）3月1日に初めて石油灯で点灯しました。以降、1932年には灯質が毎5秒に1回の閃光に変更され、1947年には商用電源化され、光源として1500Wの電球が使用されるようになりました。1966年からは、萩航路標識事務所による集約管理が始まり、1986年には巡回による保守点検に変更されるなど、時代に応じて灯台の管理方法が進化してきました。

2001年からは一般参観が開始され、現在も多くの人々が訪れています。さらに、2004年には門司海上保安部の管理に移管され、2020年には灯台、旧官舎、および旧倉庫が国の重要文化財に指定されました。

付属施設

灯台自体には、北北西の国石岩礁を照らすクヅ瀬照射灯（航路標識番号0716）が併設されており、航行の安全も支援しています。

一般公開

角島灯台は一般公開が行われており、中学生以上は300円、小学生以下は無料で見学可能です。訪れる人々は、灯台の内部に登ることができ、その美しい眺望とともに灯台の歴史を感じることができる貴重な体験ができます。観光名所として、また歴史的な文化財として、角島灯台は今も人々に愛され続けています。

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