許されざる者 (2013年の映画)

映画『許されざる者』

『許されざる者』は、2013年9月13日に公開された日本映画で、監督は李相日が務めました。この作品は、1992年に公開されたクリント・イーストウッド監督・主演の西部劇映画『許されざる者』を日本風にアレンジしたリメイクです。アカデミー賞作品賞を受賞したオリジナルの映画が日本映画として生まれ変わるのは、今回が初めての試みとなります。

あらすじ

物語は、明治時代の初期、蝦夷地を舞台にしています。主人公の釜田十兵衛（渡辺謙）は、江戸幕府の残党で、賞金稼ぎの世界に再び足を踏み入れることになります。彼の姿を通して、過去の行いと贖罪、そして人間の許されざる部分に直面する様子が描かれています。

映画は、十兵衛とその相棒・馬場金吾（柄本明）の友情や、二人が賞金首を追う過程に焦点を当て、懐かしいながらも新鮮な視点で物語を進めます。また、異なるバックグラウンドを持つ若者・沢田五郎（柳楽優弥）が加わり、ストーリーはより深まります。

キャスト

キャストには、渡辺謙をはじめとする実力派俳優が揃っています。主人公の釜田十兵衛を演じる渡辺謙は、オリジナル版のウィリアム・ビル・マニーに相当します。馬場金吾を演じる柄本明は、十兵衛の忠実な相棒であり、重要な役割を果たします。また、アイヌと和人のハーフである若者・沢田五郎を演じる柳楽優弥も大きな存在感を放っています。

他にも、遊女のなつめ（忽那汐里）、年長の女郎であるお梶（小池栄子）、酒場の主人の秋山喜八（近藤芳正）など、個性的なキャラクターが物語を彩ります。さらに、警察署長役の大石一蔵（佐藤浩市）など、様々な背景を持つ登場人物が絡まることで、緊張感ある物語が展開されます。

制作背景

本作のプロジェクトは、2011年5月に始まり、李監督とスタッフがオリジナル作の著作権を持つワーナー・ブラザースに提案しました。その後、主演に渡辺謙が内定し、制作が進行しました。撮影は2012年に北海道で行われ、壮大なスケール感とリアリズムを体現するものとなりました。

受賞歴

『許されざる者』は、多くの映画賞で評価され、特に第37回日本アカデミー賞では渡辺謙が優秀主演男優賞を受賞しました。また、新人俳優賞や最優秀撮影賞など複数の賞にも輝いています。アクションシーンも評価され、ジャパンアクションアワードでもいくつかの賞を獲得しました。

Blu-ray & DVD

映画のBlu-rayとDVDは、ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメントから発売されています。特に、初回限定版の豪華なセットも用意されており、ファンにとっては見逃せないアイテムとなっています。

結論

『許されざる者』は、歴史的背景を持ちながらも、普遍的なテーマを描いた作品です。人間の持つ許しや贖罪の問題に真摯に向き合ったこの映画は、多くの観客の心に深く響くことでしょう。

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