証×明 -SHOMEI-

『証×明 -SHOMEI-』は、声優・歌手として活躍する喜多村英梨の2枚目のオリジナルアルバムであり、2014年4月9日にスターチャイルドよりリリースされました。このアルバムは、前作『RE;STORY』から約2年ぶりのリリースとなり、喜多村自身の新たな挑戦と表現が込められた作品となっています。

制作背景

アルバムタイトルである「証×明 -SHOMEI-」には、「喜多村英梨はここまでやるのか」という彼女自身の決意表明が込められています。制作にあたっては、山崎寛子が多くの楽曲を手掛け、電話での綿密なコミュニケーションを通じて、具体的なビジョンが共有されました。レコーディングでは、演技と歌唱における発声法の違いに苦悩しつつも、彼女自身の素の部分を表現しようと試行錯誤が重ねられました。

コンセプトは、前作の「退廃的な世界」から一転し、色とりどりの花と着物が織りなす鮮やかな「和」の世界観を基調としています。これは、前作のコンセプトが6thシングル『Birth』と重複するため、新たな方向性を模索した結果です。ジャケットやのデザインにも、いわゆる「厨二」的な要素が取り入れられ、アルバム全体の雰囲気を演出しています。

音楽性

アルバムは、全13曲で構成され、和とメタル、ジャズ、トランスなど、多様なジャンルの音楽が収録されています。

1曲目「証×炎 -SHOEN-」

リードトラックであり、和とメタルを融合させた破壊力のある楽曲です。前作が「洋」をテーマにしたため、本作では相反する「和」の要素を取り入れたとされています。
2曲目「月詠ノ詩」

6thシングル『Birth』のデモとして制作されたアップテンポの楽曲を、バラードとして再構成。当初は後半に収録予定でしたが、女性的な当曲を2曲目に置くことで、1曲目の男性的な「証×炎 -SHOEN-」との対比を際立たせ、和の世界観を表現しました。
3曲目「Nonfictionista」

大正浪漫をジャズで表現した楽曲で、ジャズバーで誰かが歌っている情景をイメージして制作されました。
4曲目「Destiny」

4thシングル曲で、PSP用ゲームソフト『円卓の生徒 The Eternal Legend』のオープニングテーマです。
5曲目「Birth」

6thシングル曲で、テレビアニメ神さまのいない日曜日』のオープニングテーマです。
6曲目「Sha-le-la」

アニメ映画『アルヴ・レズル -機械仕掛けの妖精たち-』の主題歌で、打ち込みを駆使したトランス風の楽曲。2ndライブツアーで披露されましたが、音源化は本作が初となります。
7曲目「PIXY」

男性を意識して制作された楽曲で、レコーディングでは男性がカラオケで歌いたくなるような心境をイメージして歌われました。
8曲目「STARLET SEEKER」

ポジティブなメッセージを込めた、新たな始まりを予感させる楽曲です。
9曲目「sentiment」

前作の「→↑」がライブを意識したお祭り的な楽曲だったため、喜多村自身の感情を込めた楽曲として制作。La'cryma ChristiのLEVINがドラムで参加しています。
10曲目「Friend」

前作の「alive」の姉妹作品として位置づけられる、哀愁の中に爽やかな抜け感がある楽曲。レコーディングでは男性がナンパする際の心境を表現しました。
11曲目「Miracle Gliders」

5thシングル曲で、PSP用ゲームソフト『水平線まで何マイル? -ORIGINAL FLIGHT-』のオープニングテーマです。
12曲目「Pleasure→Link」

作詞を担当したうらんの詞を喜多村自身が気に入っており、山口朗彦が作曲した曲を聞いた時点で「アゲアゲ」な曲にするよう依頼したとされています。
* 13曲目「\m/」(メタルピース)

ラジオ番組『Radio キタエリあっ!』のキャラクターソングのリニューアル版で、ライブでの盛り上がりを意識した楽曲。喜多村自身は「証×炎 -SHOEN-」を引き継いだもう一つの和メタルのぶちあげソングであると語っています。

リリース形態

アルバムは、初回限定盤と通常盤の2形態でリリースされ、初回限定盤には撮り下ろし写真集ブックレットが同梱されています。

チャート

アルバムは、オリコン週間チャートで上位にランクインし、その音楽性と独自の世界観で多くのファンを魅了しました。

『証×明 -SHOMEI-』は、喜多村英梨の新たな一面を垣間見ることができる、挑戦的で魅力的な作品です。多彩な楽曲を通じて、彼女の表現力の幅広さと音楽に対する情熱を感じることができるでしょう。

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