試製八十一粍無反動砲

試製八十一粍無反動砲

試製八十一粍無反動砲（しせい81みりむはんどうほう）は、大日本帝国陸軍が試作した無反動砲の一つです。この砲は、日本陸軍によるドイツからの無反動砲技術を導入し、1943年から開発が始まりました。

開発の経緯

1943年（昭和18年）の中頃、設計図面が日本陸軍に届き、同年の後半に第一陸軍技術研究所で具体的な開発作業がスタートしました。初期の試作では、1944年5月に大阪陸軍造兵廠に向けて試作の発注が行われ、同年の11月以降には完成を見せました。試製砲は伊良湖射場で射撃試験を行い、その性能が評価されました。

砲の特徴

試製八十一粍無反動砲には主要な二種類が存在します。第一型（I型）は、比較的長めの砲身を持ち、円筒形のシンプルな外観が特徴的です。砲身の後方にはコーン型の噴気筒が付いており、砲身自体はライフリングの無い滑腔砲身の設計です。この噴気筒は全体の約3分の1の長さを占め、砲身の左側には撃発機やグリップ、肩当てが連結されています。砲身は一般的な重機関銃用の機銃架に取り付けられ、3人で運搬する形式となっています。

第二型（II型）はI型に似た形状ですが、噴気口の径が太く設計されており、三脚架に搭載されることで同様に3名での運用が可能です。発射時には通常は伏せた姿勢をとります。

使用する弾薬と性能

この無反動砲では、有翼タ弾を使用します。滑腔砲身であるため、弾体は回転せず、最大射程は200m、実効射程は30mとされています。砲弾には0.45kgの炸薬が詰められており、命中した場合には最大で100mmを貫通する力を持ちます。

製造と戦局での運用

試製八十一粍無反動砲は、レイテ作戦用に急速に300門が製造されました。興味深い点として、製造時に誤って全ての砲の照門が取り付けられたため、その修正が間に合わずそのまま輸送されました。しかし、戦局の変動によりレイテ作戦には投入されず、最終的には沖縄戦で使用されました。

参考文献

• - 佐山二郎『大砲入門』光人社（光人社NF文庫）
• - 佐山二郎『日本陸軍の火砲 迫撃砲 噴進砲 他』光人社（光人社NF文庫）

関連項目

• - 大日本帝国陸軍兵器一覧

以上が試製八十一粍無反動砲に関する概要です。戦局での使用や開発背景を知ることで、当時の日本陸軍の技術革新と戦術を垣間見ることができます。

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