誇り高き野望

誇り高き野望

『誇り高き野望』は、村上和彦が原作・総指揮を務めたヤクザ映画のオリジナルビデオシリーズです。主演は武蔵拳が務めました。また、村上和彦の同名劇画作品（1981年初出）が、宙出版MISSY COMICSからコンビニコミックとして再発刊もされています。

概要

オリジナルビデオシリーズは、2005年から全6巻が製作されました。『首領への道』シリーズをはじめ、映像化作品が100本を突破した村上和彦の新たなシリーズとして注目を集めました。原作は、昭和56年に日本文華社「特集漫画トピックス」に掲載されたもので、後に「昭和極道史」として単行本化。さらに竹書房から「日本極道史 昭和編」として改題再発されています。2006年と2007年には、宙出版MISSY COMICSからコンビニコミック版が発行されました。

DVD『誇り高き野望1』には2種類のバージョンが存在し、特典映像の内容が若干異なっています（本編は同一）。

劇画『首領への道』5部作完結後、「劇画家デビュー10周年記念作品」として本作の連載が開始されました。引退した極道の親分から「現実のヤクザはむやみに人を殺さない。人を殺さないヤクザ物を描いてほしい」という要望を受け、ドラマ性の中で不可避な殺人と、主人公・加納健治の生き方を明確に区別。ヤクザとしての生き様よりも、人間としての生き方に重点を置いて制作されました。

設定

物語の舞台となる森田組は、大阪に本拠を置く博徒系のヤクザ組織です（実在する同名組織とは無関係）。組織は、総長の徳丸房次郎（宍戸錠）を中心に、徳丸と舎弟の盃を交わした直参の舎弟分、親子の盃を交わした直参の若衆、そして直参のヤクザを親や兄とする舎弟分と若衆で構成されています。組織内部の序列は、盃を交わす相手が総長か直参かによって異なり、それがそのまま上下関係の階層を形成します。総長と直参からなる上部団体を本家、直参以下の下部組織（構成員）を枝と呼びます。主人公の加納健治（武蔵拳）は、総長の徳丸から見ると、子分である松浦勇吉（誠直也）の若衆、つまり枝の若衆にあたります。

舎弟分の筆頭である舎弟頭（代貸）は、組の序列でナンバー2となります。舎弟と若衆の違いは、若頭の選任と親分の引退（昇格）に表れます。親分は若衆から若頭を選び、若頭は組織の日常運営を親分から委任されますが、舎弟は若頭にはなれません。また、舎弟は親分引退時の跡目資格を持たないのに対し、若衆は跡目資格を有します。加納健治は松浦組の若頭であり、松浦勇吉は森田組の若頭です。

直参若衆が総長に昇格した場合、同じ直参若衆だった親分は、新総長と舎弟分の盃を交わし、相対的な位を下げることもあります（本人の意思や功績によります）。一方、新総長の直参時代から支えてきた枝の舎弟分は、本家の舎弟分となることがあります。ただし、枝の舎弟分は、自分の親分を含む本家の推薦があれば、親分が引退（昇格）しなくても直参の若衆に昇格できます。その結果、本家内部では自分の兄貴分と同格（直参の若衆）となりますが、舎弟（弟分）の盃を交わした事実は解消されません。笹川光太朗（櫻木健一）は松浦勇吉の舎弟でしたが、松浦の推薦で本家の直参若衆に昇格しました。笹川や堀越良馬（ゆ～とぴあ・ピース)は松浦勇吉を兄貴と呼び、加納健治から見ると彼らは叔父にあたります。

キャスト

主な出演者は以下の通りです。

武蔵拳
宍戸錠
誠直也
堀田眞三
岡崎二朗
山本昌平
桐山浩一
伊吹剛
大槻博之
グラン浜田
木村木
櫻木健一
ゆ～とぴあ・ピース
小西博之
加納竜
武藤敬司
千田孝康
小林勝彦
川地民夫
宮内洋
仁科克基
上原早紀
未來貴子

スタッフ

原作・製作総指揮: 村上和彦
監督: 石原興、津島勝、酒井信行
脚本: 村上和彦、白土勉、貝原クリス亮

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