読楽

読楽について

『読楽』（どくらく）は、徳間書店が発行する月刊の小説誌であり、その起源は1967年10月に創刊された『問題小説』にさかのぼります。始まりは『別冊アサヒ芸能 問題小説特集』として刊行され、キャッチコピーは「男のためのセンセーショナル小説集」とされました。初版の発行部数は11万3千部に達し、当時の著名な作家たちの作品が掲載されました。

初期には、梶山季之や清水一行、北原武夫といった名だたる作家の記事や、連載劇画や対談など多岐にわたるコンテンツが提供されていました。初めは季刊の予定でしたが、良好な販売実績により隔月刊へと変更、さらには1968年6月からは月刊誌としての刊行を開始しました。数多くの競合誌が姿を消していく中で『問題小説』は生き残り、最高時には33万部の発行部数を記録しました。

『問題小説』は、成人男性をターゲットにしたエンターテイメント誌として、官能小説や推理小説、アクション小説などが中心に掲載されました。特に1975年から1976年には西村寿行の『君よ憤怒の河を渉れ』や『娘よ、涯なき地に我を誘え』といった作品がベストセラーとなり、映画化もされて話題になりました。2012年にはリニューアルを行い、女性や若年層を新たなターゲットとし、誌面が一新されました。

増刊号も発行されており、1979年に創刊された『問題小説SPECIAL SFアドベンチャー』や1980年の『問題小説SPECIAL 瑠伯 LUPIN』など、様々なテーマの特集号が刊行されてきました。また、1975年から1979年までは「問題小説新人賞」が制定され、その後も『問題小説』誌上で発表される大藪春彦賞が創設されています。

誌面に掲載された作品には、三好徹の「迷子の天使」や中薗英助の「小説円投機」、山田風太郎の「人間臨終図巻」など、多様なジャンルの作品が含まれています。

『問題小説』の創刊30周年を記念しては、選りすぐりの作品を収めた傑作選が刊行されました。「かくも美しきエロス」や「煌めきの殺意」、「男たちのら・ら・ば・い」など、様々なテーマで分かれた傑作選は、多くの読者に親しまれています。

2023年には、紙版の刊行が停止され、電子書籍版のみでの発行が行われることとなるなど、媒体としての形も変わっていますが、長きにわたる歴史を持つ雑誌として、今後も多くの作品を世に送り出すことが期待されています。

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