誰のために愛するか

誰のために愛するか

曽野綾子のエッセイ集『誰のために愛するか』は、愛の本質を問いかける作品として、1970年の刊行以来、多くの読者に影響を与えてきました。その後、映画やテレビドラマとしても展開され、異なるアプローチで愛のテーマが描かれています。

概要

原作は青春出版社から刊行され、その後、角川書店、文藝春秋を経て、2005年に祥伝社から新書版として復刊されました。映画版は1971年、テレビドラマ版は1974年にそれぞれ公開・放送されています。

映画版は東宝が製作・配給、テレビドラマ版は東映が制作を担当しましたが、両作品は登場人物、ストーリー共に異なっています。以下に、それぞれの作品の詳細を解説します。

映画版

内容

銀行員の宮井朋子は、上司の紹介で出会ったエリート社員の高木隆一郎から交際を申し込まれます。しかし、正月に故郷の甲府へ帰省した際、幼馴染で妻子持ちの元木敬介と再会し、複雑な感情を抱きます。朋子の様々な愛の悩みや苦しみを通して、愛の本質が描かれています。

スタッフ

製作: 坂上静翁、金子正且
監督: 出目昌伸
脚本: 鎌田敏夫
潤色: 井手俊郎
音楽: 池野成
撮影: 原一民

キャスト

宮井朋子: 酒井和歌子
元木敬介: 加山雄三
宮井君代: 森光子
高木隆一郎: 佐々木勝彦

受賞歴

三浦賞（原一民）

テレビドラマ版

内容

本作は朝倉家の異母姉妹を中心に、愛の悩みや苦しみを通して真の愛を見つける物語です。オープニングでは、作者である曽野綾子自身のナレーションが流れ、「愛する人のために死ねるかどうか、それは踏み絵のようなもの」という愛の定義が示されます。

当初24話が予定されていましたが、視聴率低迷により13話で打ち切りとなりました。

スタッフ

プロデューサー: 小澤英輔（NET）、佐伯明（東映）、七條敬三（東映）
構成: 山田信夫
脚本: 山田信夫、重森孝子、尾中洋一
監督: 真船禎、内藤誠、吉川一義、今村農夫也
音楽: 菊池俊輔

キャスト

朝倉志麻: 島田陽子
藤原裕一郎: 岡田裕介
朝倉羊子: 中島真智子
村松かおる: 桃井かおり
桂子: 市原悦子
朝倉信介: 佐藤慶

『誰のために愛するか』は、時代を超えて愛の多様な側面を問いかける作品です。映画、テレビドラマ、そして原作エッセイを通じて、それぞれの愛の形に触れてみてはいかがでしょうか。

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