諏訪バイパス

諏訪バイパスについて

諏訪バイパスは、長野県茅野市から諏訪市を経由し、下諏訪町に至る国道20号のバイパスとして計画されている道路です。この地域では、国道20号の慢性的な渋滞が問題となっており、バイパス建設によって交通の分散と円滑化を図ることが目的です。また、災害時には代替路としての役割も期待されています。

計画の経緯

1970年代に計画が開始され、当初は茅野市から岡谷市に至る全長19.2kmの道路として構想されました。その後、都市計画決定を経て、一部区間が諏訪インターチェンジへのアクセス道路として暫定2車線で開通しました。しかし、諏訪市四賀から下諏訪町東町中までの区間では、地域住民の反対や計画ルートの問題から、一時的に計画が白紙化されました。

再度の計画策定

その後、交通渋滞の深刻化や災害時の道路脆弱性が問題となり、2013年に国土交通省が再度計画を検討し始めました。住民アンケートの結果を踏まえ、当初の都市計画ルート案に加え、現道拡幅案、山側ルート案の3案を比較検討し、山側バイパス案を採用する方針を決定しました。この山側バイパス案は、切土、盛土、橋梁、トンネルなどを活用し、地域の分断を避けることを目指しています。

現在の状況

現在、茅野市側の約3.1km区間が供用されています。下諏訪岡谷バイパス側の約5.6km区間は事業中ですが、残る中間部の約4.7km区間は未事業化です。事業化された区間では、環境アセスメントや都市計画変更の手続きが進められています。

将来的には、坂室バイパスや下諏訪岡谷バイパスと一体となり、諏訪湖周辺の広域ネットワークを形成し、中央自動車道と国道20号のダブルネットワークを構築する予定です。

路線データ

起点：長野県茅野市宮川（中河原北交差点）
計画区間：長野県諏訪市四賀
事業化区間：長野県諏訪市上諏訪
終点：長野県諏訪郡下諏訪町東町中（下諏訪岡谷バイパス起点）
延長：13.4km（計画区間10.3km、事業化区間5.6km）
道路規格：第3種第2級
標準道路幅員：20.0m
車線数：4車線
車線幅員：3.5m
設計速度：60km/h

歴史

1981年3月：諏訪IC関連として2.0km区間が暫定2車線で供用開始
1996年7月：諏訪IC関連として1.1km区間が暫定2車線で供用開始
2016年7月：ルートを山側ルートに変更する方針決定
2023年1月：都市計画変更
2023年度：諏訪市上諏訪～下諏訪町東町間5.6kmが事業化

通過する自治体

長野県
茅野市
諏訪市
* 諏訪郡下諏訪町

今後の展望

諏訪バイパスの全線開通は、地域住民の生活利便性の向上だけでなく、観光振興や災害時の緊急輸送路としての役割も期待されています。事業化された区間の早期完成と、未事業化区間の計画推進が今後の課題となります。

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