譚浩明

譚浩明について

譚浩明（たんこうめい）は、清末民初の時代に活躍した著名な軍人および政治家であり、広西派の指導者として知られています。彼は陸栄廷の親しい縁者であり、壮族に属する人物でもあります。彼の人生は、広西地方の政治と軍事の歴史と密接に関連しています。

幼少期からの成長

譚は農業や水運を営む家庭で育ち、若い頃は家業を手伝っていました。この背景が、後の彼の人生における地元の人々とのつながりや、農業政策への関心を生む要因となったと考えられます。陸栄廷が譚の姉と結婚したことで、譚は彼の下で軍人としてのキャリアをスタートさせました。

彼は清仏戦争後の混乱の中で陸栄廷に従い、その指導のもとで徐々に昇進しました。1911年には、陸栄廷が広西提督に就任すると、譚も広西巡防営統領に任命され、広西地方の軍事活動において重要な役割を果たします。

中華民国成立以降の活動

中華民国が成立した際、陸栄廷が広西都督兼民政長に就任し、譚浩明は桂軍第2師の師長となりました。1913年に発生した二次革命では、譚が革命派を鎮圧する任務に従事しました。その後も彼は、さまざまな軍事的な地位を歴任しながら、広西の治安維持に努めました。

1915年、袁世凱が皇帝に即位すると、譚浩明は二等男に封じられるものの、陸栄廷の反袁的な動きに従い、護国戦争に参加。1916年には護国軍第5軍の軍長として活動し、陸栄廷と共に広東省の覇権を巡って戦いました。

軍事改革と政治的変遷

しかし、1918年の湖南省での敗北は譚にとって大きな打撃となります。この敗北を教訓に、譚は軍の近代化を目指し、広西陸軍講武堂を再興するなどの改革に乗り出しました。また、内政でも広西の産業振興に取り組みましたが、こちらは技術力の不足から成功を収めるには至りませんでした。

1921年には、陸栄廷の広東奪還の試みが失敗し、譚も下野を決意して上海へ逃亡します。その後、彼は政治的な動きに携わりつつ、広西への復帰を目指しましたが、1924年には新広西派に敗れ、再び失脚することとなります。

最期

最後に、譚浩明は上海に隠棲した後、1925年に自宅で暗殺されるという悲劇的な結末を迎えました。これは、彼が自らの侍従の副官に命を奪われたもので、私生活における対立が引き金だったとされています。譚の死は、広西派の歴史において重要な象徴的出来事となり、その後の政治状況にも影響を与えました。

彼の長いキャリアは、清末から民国初期にかけて激動の時代を反映したものであり、彼の存在は当時の中国の軍事と政治において大きな意味を持っていました。

もう一度検索