警備府

警備府の概要と歴史

警備府（けいびふ）は、日本海軍の重要な機関であり、その設立は海軍の規模の拡大に伴うものでした。具体的には、これまでの要港部が再編され、権限を強化した形で誕生しました。警備府は、鎮守府に類似した機能を持ち、所轄する警備区の安全を確保すると同時に、海軍の根拠地として艦隊の後方支援を行っていました。警備府の責任者である警備府司令長官は、海軍中将が任命される親補職であり、その指揮の下で様々な業務が遂行されました。

沿革

警備府が設立されたのは1941年11月20日で、この日時は日米開戦を控えた重要な時期でした。従前の要港部が警備府に改編され、以下の4つの要港部がその役割を引き継ぎました。

• - 馬公要港部（1901年7月4日設置）
• - 大湊要港部（1905年12月12日設置）
• - 旅順[[要港部]]（1914年4月1日設置）
• - 鎮海要港部（1916年4月1日設置）

警備府は、経理部、医務部、法務部、人事部、軍需部、港務部、運輸部といった多様な部署を有していましたが、自らの艦艇は持たず、海兵団のみを戦力としていました。このため、実動部隊としは「警備戦隊」や「防備戦隊」を持たず、軍令部から指示された艦艇や兵員を各鎮守府から捻出して形成される「大警部隊」や「阪警部隊」といった通称の部隊が存在しました。

1941年には、阪神海軍部が大阪警備府に昇格し、同日に海南島特別根拠地隊も海南警備府に昇格しました。しかし、海南警備府は他の警備府とは異なり、海南島の防備や資源開発、軍政の業務を担当していました。

旅順警備府は1942年1月15日から定員を設けず、事実上の廃止となり、1943年4月1日には馬公警備府が高雄警備府に改編されました。終戦時には大湊、鎮海、大阪、高雄、海南の5つの警備府が存在していましたが、1945年11月30日には高雄を除く警備府が廃止され、1946年4月30日には高雄警備府も廃止されました。

参考文献

• - 小池猪一編著『図説総覧海軍史事典』国書刊行会、1985年。
• - 海軍歴史保存会編『日本海軍史』第7巻、発売:第一法規出版、1995年。
• - 秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。

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