護山神社

護山神社について

護山神社（もりやまじんじゃ）は、岐阜県中津川市に位置する神社です。本社は同市付知町に、奥社は加子母の国有林内に鎮座しています。木曽山（美濃山）の鎮護の神、そして木曽山林全体の総鎮守、さらには付知町・加子母の総産土神として、古くから地域の人々に崇敬されてきました。

御祭神

護山神社では、以下の神々が祀られています。

主神
大山祇命（おおやまつみのみこと）：山の神を司る神
句句廼馳命（くくのちのみこと）：木の祖とされる神
草野姫命（かやのひめのみこと）：草の祖とされる神
配神
武甕槌命（たけみかづちのみこと）：鹿島神宮の祭神
経津主命（ふつぬしのみこと）：香取神宮の祭神

御由緒

護山神社の創建には、江戸時代の出来事が深く関わっています。

天保9年（1838年）、江戸城西の丸が焼失したため、再建のために裏木曽の山々から大量の御用材が伐採されました。しかし、伐採開始直後から、山鳴りや山火事といった怪奇現象が頻発し、その影響は江戸城の大奥にまで及んだと伝えられています。

これらの怪奇現象は山神の祟りによるものと考えた江戸幕府は、直ちに伐採した全ての切り株に注連縄を張り巡らせ、山神を慰めるための祭典を執り行いました。

その後、天保11年（1840年）には、第12代将軍・徳川家慶の命により、木曽山を鎮めることを目的として奥社が創建されました。さらに、祭典や参拝の利便性を考慮し、天保14年（1843年）には本社が創建されました。これらの創建に関わる現場の指揮や、創建後の神社経営は、木曽山林を管轄していた尾張藩に託されました。

以来、護山神社は尾張藩の祈願所、そして木曽林政の象徴として、歴代藩主からの篤い崇敬を受け、当時は尾張十社の一つに数えられていました。

明治維新後は、御料林（皇室所有の森林）や神宮御造営材備林（神宮備林）の守護神として、帝室林野局からも崇敬されるようになりました。

明治6年（1873年）には、付知村・加子母村を氏子区域とする郷社に列格され、大正12年（1923年）には岐阜県の県社に昇格しました。さらに、昭和33年（1958年）には岐阜県神社庁より金幣社に指定され、現在に至っています。

概略

天保9年（1838年）：江戸城西の丸御殿再建のため、裏木曽から大量の木材を伐採。山神の祟りを鎮めるため、全ての切株に注連縄を張り、慰霊祭を実施。
天保11年（1840年）：幕府出資、尾張藩監督の下、奥社が創建。
天保14年（1843年）：幕府出資、尾張藩監督の下、本社が創建。以降、神社経営は尾張藩に委ねられる。
明治6年（1873年）：郷社に列格（氏子区域：付知村・加子母村）。
明治39年（1906年）：帝室林野局により、木曽御料林内に神宮備林が設置。護山神社は御料林・神宮備林の守護神として、官民から崇敬を集める。
大正12年（1923年）：県社（岐阜県）に昇格。
昭和33年（1958年）：金幣社（岐阜県神社庁）に列格。

例祭

護山神社では、以下のような祭事が執り行われています。

奥社祭：4月20日
試楽祭：例祭前日
例祭（付知町春季例大祭）：4月第4日曜日

特殊神事

古祠焼納祭（こししょうのうさい）：5月3日
麦初穂祭（むぎはつほさい）：7月第3日曜日

文化財

岐阜県指定重要無形民俗文化財：木遣音頭
中津川市指定天然記念物：井出之小路の木曽大ヒノキの標本

その他

伊勢神宮の式年遷宮で使用される御用材の伐採後、御樋代木奉曳式（岐阜県経由）の出発地として、護山神社にて御神木祭が執り行われます。

出典

木曾山鎮護 護山神社 Webサイト

護山神社は、歴史と文化が息づく場所として、地域の人々にとって大切な存在です。

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