護憲運動

護憲運動について

護憲運動（ごけんうんどう）とは、日本の大正時代に立憲政治を守り、発展させるために起こった政治運動を指します。この運動は特に第一次護憲運動と第二次護憲運動に分けられ、第一次は1912年から1913年にかけて、第二次は1923年から1924年にかけて展開されました。

第一次護憲運動の背景

第一次護憲運動は、大正元年（1912年）のある出来事から始まりました。当時、内閣を担っていた西園寺公望が陸軍の増設を拒否したことで、陸軍大臣の上原勇作が辞任し、内閣は総辞職する事態に陥りました。この結果、新たに桂太郎が内閣を組織しましたが、桂内閣への支持は薄れ、議会政治を求める声が高まりました。

護憲運動の展開

第一次護憲運動においては、立憲政友会の尾崎行雄や立憲国民党の犬養毅らが協力して憲政擁護会を結成し、桂内閣に対する不信任案を提示しました。しかし、桂は議会を5日間も停止させ、国民の怒りを買う事態となりました。その後、抗議集会や衆議院解散などの事件が続き、結果として桂内閣は総辞職を余儀なくされました。

護憲運動の意義

この運動は、政府に対する市民の意見や要求を表現する重要な機会となりました。また、民衆の政治意識の向上や、青年層や実業家の活動が活発化し、「大正デモクラシー」の立ち上がりを促すきっかけともなりました。運動は政党の活動中心であったものの、裏には民衆の圧力があることが指摘されています。

第二次護憲運動の背景

第一次護憲運動の後、公党は立憲政友会と憲政会の二大政党に収束し、特に政友会は強力な存在となりました。しかし、原敬内閣の暗殺後、高橋内閣が成立した際には党内の対立が深まりました。結果、政友会が分裂し、護憲三派と呼ばれる新しい連携が形成されました。

護憲三派の形成

三派は清浦内閣に対抗する形で動き、人々の支持を集めました。また、清浦内閣の解散が「懲罰解散」と称されるなど、激しい政治闘争が展開されました。選挙結果として、護憲三派は大勝し、加藤内閣が成立することとなりました。

第二次護憲運動の限界

しかし、第二次護憲運動は第一次と比べて盛り上がりを欠いており、政党内での統一した政策がなく、特に普通選挙への取り組みには消極的でした。結果として、運動の影響力は限定的でありましたが、憲法学者の評価により、一つの希望を見せる運動ともされました。

結論

護憲運動は大正デモクラシーの土台を形成し、政治の動きに民衆が影響を与える様子を示しました。第一次護憲運動は特に市民の政治意識向上に寄与し、第二次護憲運動はその後の政治における重要な転換期となりました。これにより、日本の民主化運動において歴史的な意義を持つ運動として記憶されています。

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