讃岐造船鉄工所

株式会社讃岐造船鉄工所の概要

株式会社讃岐造船鉄工所は、香川県三豊市にかつて存在した造船会社で、1887年に創業されました。企業は長い歴史を持ち、数度の変遷を経て成長を遂げてきました。創業当初から、讃岐造船鉄工所はその地域における重要な企業の一つでした。

企業の成り立ちと成長

一度、太平洋戦争の影響で企業統合を余儀なくされた結果、1942年には有限会社讃岐造船鉄工所が設立されました。1944年には株式会社に昇格し、その後は主に遠洋漁船を造船し、1957年以降は鋼船の建造へとシフトしました。旅客船やフェリー、小型タンカー、作業船など多様な内航船を製造し、1982年度には59億1,500万円という年商を達成するなど、業界内での中堅企業へと成長しました。

フェリー市場での影響力

讃岐造船は特に、備讃瀬戸において多くのフェリーを供給し、大三島の藤原造船所とともにその市場を分け合っていました。これにより、それぞれのフェリー会社にとって重要なパートナーであり続けました。

経営の困難と再生の試み

しかし、平成時代に入ると、瀬戸大橋の開通が影響を及ぼし、主要顧客であった海運業者が縮小を余儀なくされました。また、造船不況が続き、海外造船業との競争により価格が低下したことも、同社にとって非常に厳しい状況を生み出しました。

1999年には年商が24億4,200万円にまで減少し、負債は約36億円に達しました。その結果、2000年に高松地方裁判所に民事再生手続の申し立てが行われ、その後の再生計画が認可されました。支援を受けて、同社は再生手続を終結させました。

再生後の成功と問題の再発

その後の数年間には新造船の受注が順調に進み、2008年には年商64億5,936万円にまで回復。しかし、2009年に粉飾決算が発覚し、メインバンクからの支援が打ち切られるという事態を迎えました。再び民事再生手続の申し立てを行ったものの、受理されることはなく、最終的には破産手続が開始されました。負債総額は約94億円に達し、関連会社も連鎖的に倒産するという深刻な影響がありました。

設立場所と現在の状況

本社工場は香川県三豊市詫間町に位置していましたが、会社の倒産後、跡地は三豊市に買い取られ、「詫間港周辺地区にぎわい創造事業」として新たな施設が計画されました。この計画には水族館や飲食、物販、宿泊施設が含まれていましたが、民間事業者の応募がなかったため、最終的には断念される結果となりました。

このように、讃岐造船鉄工所は歴史的に見ても重要な存在でありましたが、様々な困難に直面しその歴史は終わりを迎えることとなりました。

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