谷もも

谷 もも（たに もも）

谷ももは、俳優として映像、舞台、ラジオなど多岐にわたる表現活動を展開する傍ら、プロレスラーとしてもリングに立つ異色の存在です。京都府出身で、その背景から「はんなり京娘」の愛称で親しまれています。彼女のイメージカラーはもも色で、プロレスのリングでは紙テープでも観客に届けられます。

元々はOffice FREE SIZEおよび劇団FREE SIZEに所属し、俳優としてのキャリアを積んでいました。しかし、さらなる表現の可能性を追求する中でプロレスの世界に導かれ、女子プロレス団体Beginning（後のアクトレスガールズ）へ入団。約4年間の所属を経て、2021年12月31日のBeginning解散に伴い、PURE-J女子プロレスへ活躍の場を移しました。

俳優からプロレスラーへ

谷もも選手のキャリアの原点は、高校時代の演劇部にあります。この頃から頭角を現し、高等学校演劇研究大会で最優秀賞を受賞し京都府代表となるなど、その才能を開花させました。大阪芸術大学短期大学部で舞台芸術を専攻し、卒業後はユニバーサルスタジオジャパンでの勤務で資金を貯め、本格的な役者活動のため上京。Office FREE SIZEおよび劇団FREE SIZEでの活動を通じて、表現者としての実力を磨きました。

役者として順調に歩む一方で、新しい挑戦の場を求める探求心から、プロレス界からのスカウトを快諾。2017年9月、女子プロレスラーとしての道を歩み始めました。

プロレスラーとしての軌跡

2018年4月8日、Actwres girl'Z（Beginning）の新木場大会で本間多恵選手を相手にプロレスラーとしてデビュー。キャリア初期は苦戦を強いられましたが、同年6月17日には網倉理奈選手から必殺技・蒼魔刀で自力での初勝利を掴み取ります。続く8月12日には未依選手相手にシングルマッチでの初勝利を挙げ、着実にプロレスラーとしての階段を上がっていきました。2018年11月にはBeginningとして初めて後楽園ホールのリングに立ち、翌年からはActwres girl´Z Beginning所属となります。

2019年からは他団体への参戦も積極的に行い、中でもPURE-Jには同年4月に初参戦。憧れのKAZUKI選手とのシングルマッチを経験しました。また、デイリースポーツ認定女子タッグ選手権への初挑戦や、他団体主催の後楽園ホール大会への初参戦など、プロレスラーとして経験値を高めていきました。PURE-Jでは、2019年末にユニット「WANTED☆ウォリアーズ」への加入が認められ、その一員として活動を共にすることになります。

2021年には、PURE-Jの第24代POP王座決定トーナメント決勝に進出するなど、シングル戦線でも存在感を発揮。同年9月には顎骨腫瘍のため一時欠場を余儀なくされましたが、約2ヶ月で無事復帰を果たしました。Actwres girl'Zのプロレス活動終了に伴い、2022年1月より正式にPURE-Jへ入団。移籍初戦からメインイベントに抜擢されるなど、新天地での活躍が期待されました。PURE-J所属選手との「入団記念7番勝負」を行うなど、団体に深く溶け込んでいきました。

PURE-J移籍後も他団体への参戦を続け、我闘雲舞、センダイガールズ、ストロングスタイル、wave、アイスリボンなど、多くのリングで様々な選手と対戦し経験を積みました。PURE-Jではライディーン鋼選手とのタッグで第34代デイリースポーツ認定女子タッグ王座を獲得。また、COLOR'Sでは第6代COLOR'S王座、初代KSR王座にも輝き、主要なタイトルを獲得するに至りました。

人物とスタイル

谷もも選手の魅力は、俳優としての表現力と、京都出身というバックグラウンドを活かした独自のスタイルにあります。プロレスにおけるコスチュームや入場パフォーマンスには強いこだわりを持ち、初期は舞妓をテーマにしたデザインを採用。これは舞妓が持つ「おもてなしの心」や、観客を楽しませたいという想いが込められています。入場時には舞妓傘を携え、リング上で正座するなど、独特のスタイルで観客を魅了しました。その後も尊敬するKAZUKI選手をイメージしたデザインや、巫女、和柄と着物をベースにしたものなど、複数のコスチューム変遷を経てきました。所属ユニットWANTED☆ウォリアーズの専用コスチュームも自身がデザインするなど、芸術的なセンスも持ち合わせています。

特技は油絵と似顔絵で、菓子検定2級の資格も有するなど、多彩な才能の持ち主です。選手グッズのイラストを担当するなど、イラストレーターとしても活動しています。

主な得意技

八ツ橋: 相手の後頭部に飛び付き、抱き着くように仕掛ける後方回転エビ固め。
ももざんまい: ロープを利用して跳躍し、相手の上で正座体勢になるダブルニードロップ。観客との掛け合いが定番のオリジナル技。
桃橋立: 変形のフィッシャーマンズスープレックス。
卍固め
蒼魔刀
ダイビング・ダブルニードロップ
* ダイビング・ニーアタック

私生活と今後の展開

2024年4月28日、一般男性との結婚を発表し、人生の新たな一歩を踏み出しました。また、同年8月をもって活動拠点を関西に移すことも発表しており、今後の活動スタイルや新たな環境での飛躍に注目が集まっています。

俳優とプロレスラーという二つの道を両立させ、独自のスタイルを確立している谷もも選手。その表現力とプロレスへの情熱をもって、これからも多くのファンを魅了していくことでしょう。

もう一度検索