谷口鉄雄

谷口鉄雄（たにぐち てつお）

プロフィール

谷口鉄雄は、1909年11月23日に福岡県八幡市（現在の北九州市八幡西区）で生まれ、1995年3月17日に亡くなった日本の美術史学者です。専門は東洋美術であり、その研究と教育に生涯を捧げました。

学歴と職歴

旧制福岡高等学校文科を経て、1933年に九州帝国大学法文学部哲学科を卒業しました。卒業後、同大学の法文学部で副手としてキャリアをスタートし、1935年に助手、1948年に九州大学文学部の講師、1951年に助教授と昇進を重ね、1955年には教授に就任しました。1966年から1968年まで文学部長も務めました。

1973年に九州大学を定年退官し、名誉教授となりました。その後、九州産業大学教授に就任し、教育活動を続けました。

また、学外では、1973年から1978年まで北九州市立美術館長、1982年から1988年まで石橋美術館（現在のブリヂストン美術館）長を兼任するなど、美術行政にも貢献しました。さらに、日本学術会議会員としても活動しました。

研究と業績

谷口鉄雄は、東洋美術、特に仏教美術や石仏の研究に力を注ぎました。その研究成果は、数多くの著書や論文として発表されており、美術史研究に大きな足跡を残しています。

著書

谷口鉄雄は、以下の様な著書を出版しました。

『日本の石仏』（1958年、朝日新聞社）
『観世音寺』（1964年、中央公論美術出版）
『石仏紀行』（1966年、朝日新聞社）
『臼杵石仏』（1966年、中央公論美術出版）
『東洋美術論考』（1973年、中央公論美術出版）
『西日本画壇史 近代美術への道』（1981年、西日本文化協会）
『美術史論の断章』（1983年、中央公論美術出版）
『東洋美術研究』（1994年、中央公論美術出版）

翻訳

また、中国美術に関する古典の翻訳にも携わっており、以下のような翻訳書があります。

「歴代名画記」-『中国古典文学大系54　文学芸術論集』（1974年、平凡社）※岡村繁共訳注
張彦遠『校本歴代名画記』（1981年、中央公論美術出版）※編
* 『蘭亭序論争訳注』（1993年、中央公論美術出版）※佐々木猛共編訳

まとめ

谷口鉄雄は、美術史研究者として、教育者として、そして美術館運営者として、日本の美術界に多大な貢献をしました。特に東洋美術に関する深い知識と情熱は、後進の研究者たちに大きな影響を与え続けています。

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