谷宏明

谷宏明（たに ひろあき）

1956年4月7日生まれ、熊本県熊本市出身の元プロ野球選手。ポジションは投手。

プロ入り前

熊本第一工業高等学校のエースとして活躍。1974年夏の甲子園予選では、中九州大会決勝に進出するも、佐伯鶴城高校に敗れ、甲子園出場はならなかった。同年のドラフト会議で近鉄バファローズから5位指名を受け、プロ野球選手としてのキャリアをスタートさせた。背番号は53。

プロ野球選手として

1976年10月13日、ロッテオリオンズ戦でプロ初登板。7回裏に中継ぎとしてマウンドに上がるも、1回0/3を3失点とほろ苦いデビューとなった。1980年6月30日には、ロッテオリオンズ戦でプロ初勝利を完投勝利で飾った。1982年には、速球とスライダーを武器に自身初の二桁勝利となる11勝を挙げ、規定投球回にも初めて到達（リーグ12位、防御率3.54）。この年、シーズン4完投引き分けという珍しい記録も残している。

1983年には背番号を11に変更し、開幕投手も務めるなど、球団からの期待も大きかった。1984年にも8勝を挙げ、防御率3.57（リーグ6位）と好成績を残したが、スライダーの投げ過ぎが原因で肘を痛め、1988年には登板機会が減少。同年オフにはトレードでヤクルトスワローズへ移籍。

しかし、移籍後は往年の活躍を取り戻すことはできず、1989年限りで現役を引退。

引退後

引退後は、故郷の熊本に戻り、小学生を対象としたHIRO野球教室を開設。また、桜木ふれスポ野球部『桜木少年野球クラブ』の監督も務め、少年野球の指導に力を注いでいる。

人物・エピソード

同じドラフトで、チームメイトの前川光春（内野手）と相良憲治（投手）もプロ入り。前川は阪急ブレーブス、相良は広島東洋カープから指名を受けた。
1986年8月6日、西武ライオンズ戦で近鉄が1イニング6被本塁打という不名誉なプロ野球記録を喫した試合で、谷は3番手として登板。この回に同郷の秋山幸二にホームランを打たれている。
1982年にはシーズン4完投引き分けという珍記録を達成。4月10日、4月24日、4月30日、5月27日の4試合で完投しながらも勝利に結びつかなかった。

詳細情報

初登板：1976年10月13日、対ロッテオリオンズ戦
初先発登板：1978年6月25日、対阪急ブレーブス戦
初勝利・初先発勝利・初完投勝利：1980年6月30日、対ロッテオリオンズ戦
初完封：1981年4月18日、対ロッテオリオンズ戦
初セーブ：1986年4月23日、対西武ライオンズ戦
初打席：1989年5月24日、対読売ジャイアンツ戦

年度別投手成績

年	所属球団	登板	勝利	敗戦	セーブ	完投	完封	投球回	防御率
--	---	-	-	-	-	-	-	-	--
1976	近鉄	1	0	0	0	0	0	0.2	81.00
1977	近鉄	4	0	0	0	0	0	9.1	7.71
1978	近鉄	10	0	1	0	0	0	22	6.55
1979	近鉄	16	1	1	0	0	0	29	6.86
1980	近鉄	31	3	8	0	1	0	109.1	4.45
1981	近鉄	22	2	6	0	2	1	97.1	4.53
1982	近鉄	35	11	8	0	5	0	180.1	3.54
1983	近鉄	27	7	9	0	4	0	162.1	4.21
1984	近鉄	24	8	8	0	2	0	149.1	3.57
1985	近鉄	18	2	5	1	0	0	69.1	4.15
1986	近鉄	16	1	1	1	0	0	30	7.80
1987	近鉄	21	0	1	0	0	0	29.2	6.67
1988	近鉄	2	0	0	0	0	0	3.1	5.40
1989	ヤクルト	4	0	1	0	0	0	6	12.00

各年度の太字はリーグ最高

背番号

53（1975年 - 1982年）
11（1983年 - 1988年）
29（1989年）

関連項目

熊本県出身の人物一覧
大阪近鉄バファローズの選手一覧
東京ヤクルトスワローズの選手一覧

外部リンク

* 桜木ふれスポ野球部『桜木少年野球クラブ』 - 谷が監督を務める少年野球クラブが所属する総合スポーツクラブホームページ。

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