谷泰

谷 泰の生涯と業績

谷 泰（たに ゆたか、1934年1月17日 - ）は、日本の著名な文化人類学者であり、京都大学の名誉教授としてその名を馳せています。彼の専門分野は、西洋史と社会人類学であり、彼の研究は国内外で高く評価されています。

経歴

谷は、1934年に福岡県八幡市で誕生しました。彼は京都大学の文学部史学科に進学し、1956年に卒業後、同大学院の西洋史学専攻博士課程に入ります。1960年5月には博士課程を中退し、同年6月から京都大学人文科学研究所の助手として収入を得ることとなります。

1962年には日本パキスタン合同サルトロ・カンリ登山隊に参加し、1968年4月には同志社大学工学部の講師に就任しました。俊敏な知性を持った谷は、同年に京都大学サハラ学術探検隊にも参加し、梅棹忠夫や石毛直道らとの共同調査でリビアのセブハ周辺の文化を探究しました。

1969年4月には同志社大学工学部の助教授となり、その後1974年4月には京都大学人文科学研究所の助教授に移籍し、1975年からは国立民族学博物館の助教授も兼任しました。1982年には京都大学人文科学研究所の教授に昇進し、同博物館でも教授を兼任することになりました。彼は1989年4月から1991年3月まで同研究所の所長としても活躍しました。

1997年3月に京都大学を定年退官した後、名誉教授に就任しました。その後は滋賀県立大学の人間文化学部教授として教職を続け、1999年からは大谷大学文学部の教授としての業務を行いましたが、2004年に退任しました。

受賞・栄典

谷 泰はその研究成果により、多くの賞を受賞しています。1976年には、第3回日本ノンフィクション賞を受賞し、彼の著書『牧夫フランチェスコの一日』が評価されました。また、2023年には大同生命地域研究賞を受賞し、「地中海・中近東地域における牧畜文化の歴史文化的意味に関する研究」が評価されました。

著作

谷 泰の著作には、幅広いテーマが取り扱われています。主な単著としては、1976年に出版された『牧夫フランチェスコの一日―イタリア中部山村生活誌』があり、これは日本放送出版協会より発行されました。また、1984年には『「聖書」世界の構成論理―性、ヴィクティム、受難伝承』を岩波書店から出版し、1997年には『神・人・家畜―牧畜文化と聖書世界』が平凡社から発表されています。

他にも、2004年には『笑いの本地、笑いの本願―無知の知のコミュニケーション』、2010年には『牧夫の誕生―羊・山羊の家畜化の開始とその展開』を出版しました。

編著や共編著においても、文化人類学の研究を促進する数多くのタイトルが存在します。1987年の『社会的相互行為の研究』や、1991年の『文化を読む――フィールドとテクストのあいだ』などの著作は外せません。

まとめ

谷 泰は、日本の文化人類学の発展において重要な存在であり、その研究は多くの分野にわたり影響を与えています。彼の業績は、教育機関や研究機関を兼ねる形で、次世代の研究者たちにも引き継がれています。

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