谷津義男

谷津義男: 日本の政治家の軌跡

谷津義男（やつ よしお、1934年7月23日 - 2021年6月3日）は、日本の政治界で長いキャリアを持つ著名な政治家である。彼は、農林水産大臣を務めたことでも知られ、その御業により日本の農業政策に大きな影響を与えた。また、群馬県議会議員から国会議員へとステップアップし、7期にわたり衆議院議員として活躍した。

学歴と初期の経歴

谷津は群馬県館林市に生まれ、群馬県立館林高等学校を卒業した後、法政大学法学部の政治学科で学びました。大学卒業後、彼はダイハツ系の自動車販売会社に勤務し、その後、政治家としての道を志し、福井盛太と坂村吉正の秘書を務めました。これらの経験が彼を政治の舞台へ導くこととなりました。

1975年、彼は群馬県議会議員に初当選し、3期にわたり県政に貢献しました。1986年、引退した長谷川四郎の地盤を引き継ぎ、第38回衆議院議員総選挙で自由民主党から旧群馬2区に立候補し、見事当選を果たします。

国会議員としての活動

当選後、谷津は1990年の第39回衆議院議員総選挙で一時的に落選するも、1992年には補欠選挙で再び議席を獲得しました。1996年に小選挙区比例代表並立制が導入されると、彼は群馬3区から立候補し、以後もその地位を維持しました。

1997年には衆議院内閣委員長に就任し、その後、2000年12月には第2次森内閣で農林水産大臣に任命され、初めて内閣に入ることとなります。彼はその在任中、農業政策に重要な見解や施策を提案し、実施に取り組みました。

郵政国会での立場

2005年の郵政国会では、彼は志帥会の会長である亀井静香や平沼赳夫からの説得を受けながらも、郵政民営化法案に賛成票を投じました。この行動は、彼の政治経験と自らの信念に基づいたものであり、議会内での重要な役目を果たしました。彼の賛成は、特に与党にとっては大きな支えとなりました。

政策と立場

谷津は、選択的夫婦別姓制度や人権擁護法案には反対の立場を貫きました。また、自民党内の酒税問題プロジェクトチームの座長を務め、酒類小売業者の環境改善を目指した法律を議員立法で成立させるなど、現実的な政策提案にも積極的に関与しました。

エピソードや対立

選挙の際には、群馬3区にある大票田である太田市において、地元の自民党支持者からの反発も経験しました。特に、太田市長の清水聖義が対立候補となるなど、選挙戦は一筋縄ではいきませんでした。また、彼は新宗教団体の秋季大祭に出席し祝辞を述べるなど、公に多様な活動にも参加していました。

引退と晩年

2009年の第45回衆議院議員総選挙で民主党の柿沼に敗れ、政治からの引退を表明しました。その後、2021年6月3日に肝臓がんにより86歳で亡くなるまで、彼の政治的遺産は残り続けています。その死去と同時に、従三位に叙されました。

彼の著作や論文も多くあり、特に環境問題や公共事業の見直しに関する提言は、多くの読者に影響を与えました。群馬県の政治と自民党内における彼の存在感は、今なお語り継がれることでしょう。

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