琿春市

琿春市について

琿春市（こんしゅんし）は、中国吉林[[省]]の延辺朝鮮族自治州の東端に位置する県級市です。この都市は特に人口の40％以上が朝鮮族であり、そのため多様な文化が息づいています。さらに琿春市は国境開放都市に指定されており、国際的な貿易の重要な拠点となっています。

地理的特徴

琿春市は南側で図們江を介して北朝鮮の羅先特別市と接し、東側ではロシア連邦の沿海地方と隣接しています。特に日本海までわずか15kmの距離にあり、ロシアの港町ポシェットやザルビノと鉄道で結ばれています。この地形は、交易や文化交流にとって非常に重要な要素です。市内では老斧峰という1477mの山が最高点であり、河川も琿春河や密江河など多様です。

歴史の流れ

琿春の歴史は古く、高句麗時代には柵城府が設置され、東方支配の拠点として重要視されていました。8世紀には渤海が東京龍原府を設置し、海上貿易の拠点として機能していました。この地は日本海を「南海」と呼び、日本向けの航路の起点でした。しかし、渤海の滅亡後は女真族の支配下に入り、清朝時代には入植が制限され、1714年には琿春協領が設置されました。1881年には入植が再開され、人口が増え始めます。

20世紀に入ると、琿春はさまざまな歴史的事件の舞台となります。1920年には琿春事件が相次ぎ、中国人馬賊による暴動が発生しました。1988年には県級市に昇格し、琿春市として発展を続けています。これ以降は国境開放政策を進め、1992年には国務院により国家級辺境開放地区に指定されました。

行政と交通

琿春市は現在、5つの街道、4つの鎮、3つの郷、および2つの民族郷を管轄しています。交通網も充実しており、中国鉄路総公司が運営する鉄道が市内を通っており、高速道路や国道も整備されています。また、国際バスターミナルがあり、延辺朝鮮族自治州内や他の省と結ばれる路線が運行されています。

経済状況

琿春は1990年代から国連開発計画の指導の下、図們江地域開発の拠点都市としての役割を果たしてきました。特に韓国の企業が進出し、経済が活性化しています。また、豊かな資源を背景に、貿易の発展が期待されています。

観光名所

観光面では、琿春の自然美と歴史的遺産が観光客を惹きつけています。朝鮮・ロシア友情橋や八連城、圏河口岸など、多くの観光スポットがあり、国際色豊かな文化を体験できる場所でもあります。特に圏河口岸は中朝国境のゲートとして重要です。

友好都市

国際関係を重視する琿春市は、日本の鳥取県境港市や新潟県上越市と友好都市提携を結んでおり、文化交流や経済協力を進めています。

琿春市はその地理的優位性と豊かな歴史を背景に、今後も国際交流と貿易の拠点として重要性が高まる地域であることは間違いありません。

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