豆漿

豆漿（ドウジャン）とは

豆漿（ドウジャン、豆漿、dòujiāng）とは、中国語圏における独特な豆乳を指します。甘いもの、塩酸っぱいもの、黒豆を使ったものの3種類が存在し、中国、台湾、シンガポール、マレーシアなど、中華圏全体で広く親しまれています。

定義

中国語圏では、「豆乳」と「豆漿」は明確に区別されています。

豆乳（豆奶）： 中国語で「豆奶（dòunǎi）」と表記され、乳糖不耐症の方にとって牛乳の代替品としての役割を果たします。
豆漿： 中国の伝統的な食品であり、甘い飲み物としての西洋の豆乳とは異なり、火鍋やスープなどの料理に使われる「食材」としての側面も持ち合わせています。

豆漿の種類

豆漿には、主に以下の3種類があります。

1. 甜豆漿（ティエンドウジャン）： 甘い豆漿です。「甜（tián）」は中国語で「甘い」という意味です。包子（パオズ）などの中華風朝食と一緒に、温かい豆漿に砂糖を加えたものを飲む習慣があり、油条（ヨウティアオ、揚げパン）を浸して食べることもあります。

2. 鹹豆漿（シェンドウジャン）： 塩酸っぱい豆漿です。「鹹（xián）」は日本語の「塩」の繁体字です。薄味の塩味と旨味の強い出汁に、酸味のある酢を加え、浅葱（あさつき）と細かく切った油条を添えたもので、小さく凝集したおぼろ豆腐のような食感が楽しめます。朝粥のような感覚で味わう「食べる豆乳」です。

3. 黒豆漿（ヘイドウジャン）： 黒豆を使った豆漿です。黒豆ならではの風味が特徴で、一般的に甘い味付けで提供されます。

豆漿の概要

豆漿は、食堂や街頭の露天商、ホテルの朝食などで提供されており、カップやビニール袋に入れて持ち帰るのが一般的です。中国では、ミキサーだけでなく、家庭用の自動豆乳製造機も販売されており、自宅で大豆から豆漿を作る人もいます。また、砂糖を加えて乾燥させた顆粒状のインスタント豆漿も販売されており、熱湯を注ぐだけで手軽に温かく甘い豆漿を味わえます。

豆漿は元々華北地方でよく飲まれていましたが、1955年に台湾の台北県永和市で開店した豆漿店「世界豆漿大王」（現在の新世界豆漿大王）が人気を集め、各地にチェーン展開したことで、中華圏を代表する軽食として広く知られるようになりました。

中国と台湾では黒豆を使った豆乳も一般的です。黒豆を用いた豆乳は、日本でも製品化・販売されています。香港では、「ビタソイ」という商品名の豆乳がガラス瓶入りで販売され人気がありましたが、現在は紙パック入りが主流となり、瓶入りを扱う店は減っています。

関連項目

* 豆乳

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