豆腐屋直次郎の裏の顔

『豆腐屋直次郎の裏の顔』

『豆腐屋直次郎の裏の顔』（とうふやなおじろうのうらのかお）は、1990年から1992年にかけてテレビ朝日系列で放送された人気テレビドラマです。この作品は、単発のエピソードが3回、そして連続ドラマが1シリーズ（全10話）制作されました。主演は萩原健一が務め、制作を手掛けたのはスタッフアズバーズと朝日放送です。

概要

このドラマは、昼間は豆腐屋として何の変哲もない生活を送る主人公が、夜になると凄腕のプロ強盗に姿を変えるというハードボイルドなストーリーが魅力です。最初は朝日放送が製作する2時間ドラマ枠『火曜ミステリー劇場』内で、第1作が放送され、好評を受けて第2作と第3作が続けて制作されました。1992年7月からは、全10話の連続ドラマが毎週火曜の21時から放送されました。この作品は1997年に第1作がビデオソフトとして発売され、2021年12月30日には、ホームドラマチャンネルで第1作から第3作までのまとめて再放送が決定しています。

また、本作は萩原健一の代表作『傷だらけの天使』にオマージュを捧げている点でも注目されています。シリーズのメインライターである柏原寛司は、同作の脚本家デビュー作が『傷だらけの天使』であり、その影響が作品に色濃く現れています。回想によれば、第2作からは佐藤B作が参加し、さらなる深化が施されたといいます。

登場人物

• - 花井直次郎（萩原健一）：　本作の主人公で、東京都月島にある花井豆腐店の店主です。妻子や仲間に対しては愛情深い下町の豆腐職人ですが、かつては「加藤直次郎」と名乗り数々の強盗を成功させた凄腕のプロでした。13年前の名古屋での強盗事件で逮捕されて服役した後、足を洗い豆腐屋になることを誓ったものの、裏の顔を持つ男として物語が進行します。
• - 常山和之（佐藤B作）：　裏稼業で直次郎の相棒として活躍する岩手県出身の男。連続ドラマ版では、浅草ロック座で近所の踊り子マリリンと同棲しながら新たな生活を営んでいます。
• - 花井真知子（渡辺えり子）：　直次郎の愛妻で、彼を「ダーリン」と呼び親しんでいます。
• - 屋台のオヤジ（梅津栄）：　普段はラーメン屋台の店主ですが、直次郎の頼みに応じて銃器類を調達する仲間です。全体的にコミカルな一面もあるキャラクターです。
• - 本郷平八郎（上條恒彦）：　深川南署の刑事で、過去に直次郎を逮捕した因縁のあるキャラクター。
• - 草野麻里（生稲晃子）：　花井豆腐店の隣にある花屋でアルバイトをしている娘で、直次郎に恋をし、何かと気を引こうとします。
• - マリリン（レイチェル・エドワーズ）：　浅草ロック座の踊り子で、和之の同棲相手。

音楽とスタッフ

本作のテーマソングは萩原健一の「GAMBLER」で、連続ドラマ版のエンディングには「Angel」が使用されています。その他にも挿入曲として「愚か者よ」などが特徴的に用いられました。

制作には、脚本を担当した柏原寛司を始め、監督の小原宏裕、杉村六郎、音楽担当の津島利章など、さまざまな才能が集結しました。

『豆腐屋直次郎の裏の顔』は、深い人間ドラマとハードボイルドな展開が織り交ざった作品で、視聴者を惹きつけてやまない魅力を持っています。

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