豊島清掃工場

豊島清掃工場は、東京都豊島区上池袋に所在する清掃工場です。この施設は、1990年代初頭の急速なごみ増加に対応するため、東京都の清掃工場建設計画に基づき建設されました。かつて池袋マンモスプールがあった場所に、1995年9月に着工し、1999年6月に完成しました。

建設にあたっては、周辺住民からの反対運動も発生しました。1996年1月には、地元住民約300人が工場の環境影響評価や建設計画の見直しを求めて公害調停を申請しました。また、2000年5月には、国際的な環境保護団体グリーンピースの活動家が、工場内の「区立健康プラザとしま」の外壁をよじ登り、ごみ焼却によるダイオキシン発生に抗議する事件も起こりました。この際、活動家たちは建造物侵入の現行犯で逮捕されました。

現在、この工場は東京二十三区清掃一部事務組合によって管理されており、1日に約400トンのごみを処理しています。ごみ収集車が工場に出入りする際、隣接する池袋大橋には2ヶ所の分岐路が設けられています。焼却炉の余熱は、廃棄物発電（出力7,800kw）と、豊島区立健康プラザとしまへの温水供給に利用されています。

豊島清掃工場は都心部の人口密集地に位置しているため、排煙による周辺への影響を最小限に抑えるため、非常に高い煙突が設置されています。この煙突の高さは約210メートルで、東京都内の工場煙突としては最も高いものです。また、周辺の景観に配慮したデザイン性の高い外観も特徴です。

この清掃工場は、ごみ処理だけでなく、地域へのエネルギー供給や景観への配慮も重視した施設として機能しています。

関連事項

清掃工場: ごみを焼却処理する施設全般。
中央清掃工場: 東京都中央区晴海にある清掃工場で、東京都内で2番目に高い約180mの煙突を持つ。
『雲のむこう、約束の場所』: 新海誠監督のアニメーション作品で、豊島清掃工場の煙突が、作中に登場する「塔」のイメージモデルとなっている。角川書店発行の雑誌「新現実 vol.1」に掲載された短編漫画『塔のむこう』でも、この煙突が「塔」のモデルとして使用されている。

外部リンク

東京二十三区清掃一部事務組合 豊島清掃工場
* 東京二十三区清掃一部事務組合

もう一度検索