豊後中川駅

豊後中川駅：久大本線沿いの桜の駅

大分県日田市天瀬町合田に位置する豊後中川駅は、九州旅客鉄道（JR九州）久大本線沿線にある地上駅です。単式ホーム1面1線のシンプルな構造で、現在は無人駅となっています。かつては急行列車も停車するなど、賑わいを見せていましたが、時代の流れとともに変化を遂げてきました。

駅の歴史：開業から現在まで

豊後中川駅は、1934年（昭和9年）11月15日に鉄道省（国有鉄道）の駅として開業しました。開業当時は貨物取扱も行っていましたが、1962年（昭和37年）10月1日に廃止。その後、1971年（昭和46年）2月20日には業務委託駅となり、1984年（昭和59年）2月15日には無人駅となりました。荷物扱いも1984年（昭和59年）1月20日に廃止されています。国鉄分割民営化後の1987年（昭和62年）4月1日からは、JR九州が駅を管理運営しています。近年では、2011年（平成23年）3月29日に待合室の改装、そして2015年（平成27年）3月14日には、地元住民のふるさと納税などを活用した新たな駅舎が完成するなど、改修工事が行われています。新駅舎は木造平屋建てで、延床面積は約33平方メートルです。

駅の構造と周辺環境：桜の名所として

駅舎は、かつては2面2線の構造でしたが、現在は1面1線に改修されています。旧ホーム跡地には桜が植えられ、春には線路沿いに桜並木が花を咲かせます。この桜並木は、鉄道ファンや写真愛好家の間で人気の撮影スポットとなっています。桜のほかにも、菜の花やアジサイなど季節の花々も駅周辺に植えられており、四季折々の風景を楽しむことができます。

かつては駅舎にJA系のスーパーマーケット「Aコープ」などが併設されていましたが、2011年の待合室改装時に撤去され、現在はコンビニエンスストア兼衣料品店「宇野商店」が跡地に建っています。駅周辺には、日田市役所馬原出張所、馬原郵便局、日田市立東渓中学校、日田市立東渓小学校などの公共施設や教育施設があります。また、高塚愛宕地蔵尊も駅の近隣に位置し、バスで約15分の距離にあります。駅へのアクセスは、国道210号と大分県道54号玖珠天瀬線が通っています。

利用状況：変遷と現状

豊後中川駅の利用状況は、開業当初から現在まで大きく変化しています。1965年度（昭和40年度）の乗車人員は271,112人、降車人員は282,163人に上り、手荷物や小荷物も取り扱っていました。しかし、近年は利用客数が減少しており、2015年度（平成27年度）の乗車人員は10,046人、降車人員は10,254人となっています。この減少は、自動車の普及や人口減少などの社会情勢の変化を反映していると考えられます。一日平均乗車人員は、年間乗車人員を各年度の日数で割った値です。

まとめ：地域のシンボルとして

豊後中川駅は、地域の生活を支える重要な拠点として、また、美しい桜並木が魅力の撮影スポットとして、現在もその役割を果たしています。歴史と変化を刻みながら、地域のシンボルとして存在感を示す、そんな駅です。今後、どのように変化していくのか、注目が集まります。

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