豊橋本線料金所

豊橋本線料金所について

豊橋本線料金所は、かつて愛知県豊橋市に存在した東名高速道路の本線料金所です。通称「豊橋バリア」や「豊橋TB」とも呼ばれていました。

概要

この料金所は、高速道路における不正通行を防止するために設置されました。具体的には、通行券の交換や紛失を偽装するなどの不正行為を防ぐ目的がありました。

設置の経緯

1980年代初頭、高速道路網の拡大に伴い、不正通行が深刻化していました。特に上郷SAや浜名湖SAなどでの不正が多発し、年間推定損失額は40億円を超える規模に達していました。この状況を打開するため、日本道路公団（当時）は東名高速道路から名神高速道路にかけての経路上に検札所を設けることを決定しました。

豊橋市が選ばれた理由としては、以下の点が挙げられます。

1. 過去の不正通行事例から、物流の要所である静岡県と愛知県の県境付近に検札所を設けることが、最も効果的な不正抑止策であると判断された。
2. 設置場所として、本線通行量が比較的少なく、季節や時間帯による変動が小さい区間が選ばれた。また、長距離貨物車の混入率が高く、不正通行の割合も高かったため、この区間が最適とされた。
3. 本線の線形や他の道路施設との関係から、設置しても走行上の安全性が確保できる場所であった。

これらの理由から、三ヶ日ICから豊川ICまでの区間が最も適していると判断され、東名高速道路の265.7キロポスト付近に料金所が設置されることになりました。

1987年2月に工事が始まり、1988年9月には一部レーンで検札業務が開始されました。1989年3月には全21レーンが完成し、総事業費は約40億円でした。

業務内容

豊橋本線料金所では、通行車両の通行券を確認し、流入ICや走行時間などを記録していました。また、紛失した通行券については、流入ICの特定作業も行っていました。さらに、料金所手前の情報板で交通情報を提供したり、車両制限令違反車両の取り締まりも実施していました。

通常、当料金所では新たに通行券が発行されることはありませんでしたが、確認の結果、適正な通行券でないと判断された場合などには、特別な通行券が発行されました。この通行券は、流入IC名の欄に「豊橋バリア」と印刷されており、紫色が帯の色でした。

施設廃止

料金所は、その役割を終え、2007年5月31日に廃止されました。これは、通行券システムの更新やETCの普及に伴い、検札の必要性が薄れたためです。料金所跡地は片側2車線の道路に戻されましたが、両端には料金所施設の基礎部分が残っています。

2019年4月12日には、料金所跡地に豊橋PA（下り線のみ）が新設され、新たなサービスエリアとして活用されています。

歴史

1981年6月6日: 日本道路公団内に不正通行防止対策委員会が設置。
1982年8月: 豊橋本線料金所の設置位置が決定。
1986年11月: 地元との協議が難航した末、用地調印を実施。
1987年2月: 工事開始。
1988年9月20日: 上り線の一部レーンが暫定的に供用開始。
1988年9月21日: 下り線の一部レーンが暫定的に供用開始。
1989年3月: 全レーンが完成し、供用開始。
2007年5月31日: 検札業務を終了し、施設を廃止。
2019年4月12日: 豊橋PAが下り線跡地に開設。

料金所施設

ブース数: 21
東京・静岡方面: 10
ETC専用: 2
ETC/一般: 2
一般: 6
名古屋・豊田方面: 11
ETC専用: 3
ETC/一般: 1
一般: 7

隣接施設

E1 東名高速道路
(17) 三ヶ日IC - 新城PA - 豊橋TB（廃止） - (18) 豊川IC

関連項目

日本のインターチェンジ一覧
鈴鹿本線料金所：東名阪自動車道に存在した料金所。跡地は下り線のみ臨時駐車場として整備。

外部リンク

* 東名高速『豊橋本線料金所』・北陸道『米原本線料金所』を廃止します （中日本高速道路）

この料金所は、高速道路の歴史における重要な役割を果たしました。その設置から廃止、そして跡地の活用まで、様々な側面からその変遷を辿ることができます。

もう一度検索