貴志駅

貴志駅（きしえき）

貴志駅は、和歌山県紀の川市貴志川町神戸に所在し、和歌山電鐵貴志川線の終点である駅です。この駅は「たま」という名前の飼い猫が駅長を務めることで有名で、訪れる人々に愛されています。駅番号は14で、運行の終点となっています。

歴史

貴志駅は1933年8月18日に和歌山鉄道の一部として開業しました。経歴を辿ると、1957年に和歌山電気軌道に吸収され、さらに1961年には南海電気鉄道に組み入れられました。その後、2006年には無人駅となり、駅の機能が一新されました。

特に注目されるのは、駅の売店にいた猫「たま」が2007年1月5日に正式に駅長に任命されたことです。彼女の人気から、たまはその後も様々な役職へと昇進を果たし、2014年には「ウルトラ駅長」という称号を手にしました。残念ながら2015年に16歳で亡くなるも、「名誉永久駅長」としてその名が永遠に語り継がれています。現在はたまの後任として「たま2世」ことニタマが駅長を務めています。

駅の構造

貴志駅は単式ホームが1面1線あり、保線用の留置線も存在する地上駅です。駅は無人化されており、乗客は車両内での精算が必要です。駅舎は2010年に建て替えられ、猫の顔をモチーフにしたユニークなデザインが特徴です。

駅内にはたま駅長に関する販売店「たま商店」と、地域特産を扱う「たまカフェ」が設けられており、観光客に人気です。また、駅周辺には「いちご神社」や「ねこ神社」など、独自の文化要素が加わっています。

利用状況

2020年度には約685人の乗降客があり、和歌山電鐵の駅の中では和歌山駅に次いで利用者が多いとされています。特に観光シーズンには、イチゴ狩りなど目的で訪れる観光客が増加します。

駅周辺

駅前にはタクシー乗り場とバス停が整備されており、周辺には地域コミュニティバスが運行しています。また、駅周辺はイチゴの産地として有名で、早春には多くの観光客が訪れます。

駅から少し歩けば貴志川が流れており、そこではホタルの養殖や夏の花火大会など、四季折々の楽しみがあります。さらに、近隣には猫グッズを取り扱う店舗もあり、猫好きにはたまらないスポットとなっています。

このように、貴志駅は単なる交通の要所以上の魅力を持つ場所です。地域猫たちに愛され続け、訪れる人々に温かい出迎えをしてくれるこの駅は、和歌山県を訪れた際にはぜひ立ち寄りたい場所の一つです。

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