貴陽府

貴陽府の歴史

貴陽府は、中国の歴史において、現在の貴州省貴陽市周辺地域に存在した行政区分です。その起源は明代に遡り、清代を経て中華民国初期まで、この地域を統治する重要な役割を果たしました。

明代の成立と変遷

1476年（明の成化12年）に、この地域は程番長官司として知られていましたが、明朝はこの地を昇格させ、程番府を設置しました。これが貴陽府の前身となります。その後、1569年（隆慶3年）に、程番府は貴陽府と改称され、新たな名称で歴史を刻み始めました。

さらに、1601年（万暦29年）には、貴陽府は貴陽軍民府へと改められ、より広範な地域を管轄するようになりました。当時の貴陽軍民府は、貴州省に属し、新貴県と貴定県の2県、開州、広順州、定番州の3州、そして程番長官司、小程番長官司、上馬橋長官司、盧番長官司、韋番長官司、方番長官司、洪番長官司、臥竜番長官司、小竜番長官司、大竜番長官司、金石番長官司、羅番長官司、盧山長官司、木瓜長官司、麻響長官司、大華長官司という16の長官司を管轄下においていました。

清代の再編

清朝に入ると、1687年（康熙26年）に、貴陽軍民府は再び貴陽府へと改称されました。この再編により、行政組織はより効率化され、地域統治が強化されました。この時の貴陽府は、貴州省に属し、貴筑県、貴定県、竜里県、修文県の4県、開州、広順州、定番州の3州、そして羅斛庁という1つの庁を管轄しました。この再編は、清朝の地方行政制度の整備を反映しており、貴陽府の管轄地域は、より明確に定義されました。

中華民国による廃止

1913年、中華民国が成立すると、地方行政制度は大きく見直されることになり、貴陽府は廃止されました。これにより、貴陽府としての歴史は終わりを告げ、その地域は新たな行政区分へと再編されました。貴陽府の廃止は、中国の近代化と行政改革の一環として行われました。

まとめ

貴陽府は、明代から中華民国初期にかけて存在した重要な行政区分であり、その変遷は、中国の歴史における地方統治のあり方を映し出しています。程番府から貴陽府、そして貴陽軍民府への変遷、そして最終的な廃止に至るまで、この地域は様々な歴史的出来事を経験し、今日の貴州省の形成に大きく貢献しました。

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