買収気動車

買収気動車について

買収気動車（ばいしゅうきどうしゃ）は、1930年代から1940年代にかけて、日本の鉄道省が各地の私鉄路線を買収し、国有化した際に得られた気動車を指します。これらの車両は、主に戦時中に私鉄から移管されたもので、国有化後に鉄道省籍となりました。

概要

買収気動車は、両運転台式の機械式で手動変速が特徴の車両で、1930年代の鉄道省制式の気動車と似た点もあります。しかし、これらは私鉄各社が1920年代末から1940年にかけて個々の仕様で発注したため、統一された規格は存在せず、そのバリエーションは豊富です。

また、普通のボギー車だけでなく、四輪車や片ボギー車も存在し、国鉄の制式気動車と比べると小型の車両が多く見受けられました。エンジンには輸入品も国産品も使われ、主にガソリンエンジンの車両が多かったですが、希にディーゼルエンジンを搭載したものもありました。この状態はメンテナンスや運用面での問題を引き起こしました。

戦争中の燃料不足も影響し、多くの買収気動車は早期に廃車されました。たとえば、老朽化の激しい木造車体車や、極小型の車両は、製造から短期間で廃車とされました。

残された車両も、ごく短期間で廃車や払い下げをされ、国鉄線から姿を消していったのです。特に、買収された私鉄が用いていた車両はディーゼルエンジンを搭載して再生されたものが多いものの、中には機能を失って客車や電車の制御車として使われるケースも見られました。

車両の形式称号

買収された私鉄の気動車には、鉄道省式の形式（キハ・キハニ等）が付けられました。4輪車や片ボギー車は雑型客車に似た番号が与えられ、762mmゲージの車両は「ケ」符号が付与された軽便気動車の番号が付けられました。ボギー車に関しては、最初に買収された車両は国鉄の電気式気動車番号に基づき付番され、その後の増備車両は他の規定にも基づいて改番されました。ただし、1937年の改番の際には多くの車両が異なる私鉄から買収され、それにより重複番号が生じる事態も発生しました。

買収された各社の車両

買収された主な私鉄の一つが北海道鉄道であり、1943年の買収に伴って大型のガソリンカーが引き継がれました。これらは札幌市と苫小牧市を結ぶ路線で活躍する車両でした。

また、秋田鉄道や横荘鉄道からも小型ガソリンカーが移管されました。秋田鉄道の車両は多様な仕様が混在しており、運用上の課題から早々に廃車される運命をたどったものも多いです。

他にも、南武鉄道や相模鉄道線では多くの気動車が引き継がれましたが、これらも1940年代には次々と廃車され、戦後間もなく私鉄に払い下げという運命も迎えました。特に北九州鉄道から移管された気動車は、ボギー車の形状や仕様の差異が多く存在していました。特筆すべきは、買収に伴い独特な設計や機能の車両が数多く現れたことです。

記録のまとめ

こうして買収気動車たちは、鉄道省の戦時下の要請や燃料供給の悪化に伴い、次いで長い歴史と共に短命であったことに多くの鉄道ファンや歴史編集家によって今に語り継がれています。また、それらの中には、後に経済復興により復活した路線がもたらした影響も少なくはなく、重要な役割を果たしてきたことは評価される点でもあります。

もう一度検索